アフターライフ

アフターライフ “After.Life”

監督:アグニェシュカ・ヴォイトヴィッチ=ヴォスルー

出演:クリスティーナ・リッチ、ジャスティン・ロング、リーアム・ニーソン、
   ジョシュ・チャールズ、チャンドラー・カンタベリー、
   セリア・ウェストン、シュラー・ヘンズリー

評価:★★




 まず、色に注目しなければならない。冒頭に映る人肌をアップで捉えたショットは陶器のように真っ白で、最初は絹か何かが映っているのかと思ったほど。続いて目に留まるのは、ヒロインのクリスティーナ・リッチの顔色。ほとんど血の気がなく、ある葬儀に出席した際など、遺体の方が血色が良い。実はこれは物語上、大きな意味を持っている。中盤のリッチはこれ以上に白いメイクが施されたままに、真っ赤なミニスリップで通す。そのときの白と赤のコントラストが鮮烈な印象を残す。ヒロインが置かれた状況下を視覚的に刺激していく。寒々とした舞台装置との対比も目に焼きつく。

 『アフターライフ』のヒロインは、交通事故から目覚めると葬儀場の遺体安置所に寝かされていることに気づく。目の前にいた葬儀屋の男(リーアム・ニーソンがいつも通り安定した演技)が言うには、彼女は既に死んでいて、今から死に化粧をするところだ。女はそれを認めない。私は死んでなんかいない。彼女が葛藤する中で、男は生と死、或いは生きることと死ぬことについて説いていく。ここに映画のテーマが見え隠れする。事故に遭うまでの彼女はまるで死んだように生きていた。それと今は何が違うのだろう。哲学的なようで、実は散々語られてきた単純な題材。それらしい言葉で語られても、さほど思うところはない。そりゃ生を実感しながら生きるのがベストだけれど、なかなかそうならないのが現実だと誰でも知っている。

 話を引っ張っていくのは、果たして女は本当に死んでいるのか、それとも生きているのか、という謎だ。そしてそれは、葬儀屋は本当に死者と話せるのか、それとも異常殺人鬼なのか、という謎にも直結する。作り手もどちらともとれる思わせぶりな演出を採っている。本当に死んでいるなと思わせた直後に生きているように思わせる小話を入れたり、その逆パターンを入れたり。女もなんとか葬儀屋から逃げ出そうとするも、なかなか上手くいかない。逃げられる、逃げられないの攻防のみにサスペンスを浮上させるのは単純過ぎる。

 それよりも見所はリッチだろう。大胆な脱ぎ方にも驚くけれど、それよりも見入るのは、リッチの身体の面白さだ。以前のようにあからさまに太くはない。むしろすっきりと痩せているのだけれど、所々におかしなバランスで肉がついている。例えば手首は折れそうに細いのに、肘の部分にはたっぷりと肉が乗っている。二の腕はその中間ぐらいか。子役時代から具えていた異形的な面白さを依然キープしている。ここでは肌が真っ白にメイクされているので、余計にそれが際立っている。

 曖昧なままに進む物語ではあるけれど、一応の決着はつけている。ポイントになるのは、子どもの存在と彼が「死んでいる」と言うヒヨコだろうか。子どもは葬儀屋と同じように死者と話せるのか。それに注視していると、自然に全容が見えてくる。

 アレ?でもそうすると、矛盾が次々浮上しないか?あの問題やあの問題はどういうことだったのか。深く考えてはいけない、説明を求めてはいけない映画?頭を使わせようとする割りに、ツメがやけに甘いと言えよう。





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