アドリフト 41日間の漂流

アドリフト 41日間の漂流 “Adrift”

監督:バルタザール・コルマウクル

出演:シャイリーン・ウッドリー、サム・クラフリン

評価:★★




 大海の中にちっぽけな人間を放り込む漂流映画は案外少なくない。10年代に入ってからだと「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」(12日)「コン・ティキ」(12年)「オール・イズ・ロスト 最後の手紙」(13年)「喜望峰の風に乗せて」(18年)あたりが思い浮かぶ。それらとのいちばんの違いは主人公が女ということだろう。体力面を考えると、男以上に厳しいサヴァイヴァルが待っていることが容易に想像できる。

 冒険物として材料豊富に思える漂流映画はしかし、危険と隣り合わせの題材だ。舞台が海の上に限定されるため、案外画面にメリハリをつけ難いためだ。…となると、それを回避する技が成功の鍵を握ると言って良いだろう。平板な画は物語の平板さに繋がりかねない。

 斯くして『アドリフト 41日間の漂流』は、タヒチからサンディエゴに向かうボートに乗り込む男女のラヴストーリーがフラッシュバックで挟まれる。これが…なかなかの甘ったるさで、しかも単純に海を愛する男女の恋愛に留まる。実話を基にしているため大胆な脚色ができなかったか。けれど、スペシャルな何かが欲しいところだ。

 それならばサヴァイヴァル描写はどうか。こちらは恋愛に倣うかのようにお行儀良い範囲でまとめられる。ボートがひっくり返る絶望。その修理。愛する人の救出・手当て。計画変更。食糧問題への対処。まるでガイド本的な綺麗な流れ。ところが、具体性には乏しいのだ。一瞬の転覆描写に顕著なように、ボートの上でできることは少ないとばかりに、回想頼みの平穏なサヴァイヴァルではないか。ボートが思いの外頑丈で、広さも適当にあり、急な命の危険からは十分守られるのも、迫力不足かもしれない。

 物語にはある仕掛けが施されていて、これに関しては納得できるようなできないような宙ぶらりんの感情になる。それほどの絶望があったと解釈できる一方、画面の単調さを防ぐチープな策のように見えなくもない。つい同じ仕掛けの映画を思い出してしまう。 

 尤も、それでも一切退屈させないのはシャイリーン・ウッドリーが出ずっぱりだからだ。一度見たら忘れられない面白美人顔は相変わらず。長い手足を具えた身体の中に生命力を目一杯感じさせながら奮闘する。映画史には泣き叫ぶアクションヒロインが幾度となく登場してきた。それらを思わせるパフォーマンスだ。





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