デッド・ドント・ダイ

デッド・ドント・ダイ “The Dead Don't Die”

監督:ジム・ジャームッシュ

出演:ビル・マーレイ、アダム・ドライヴァー、ティルダ・スウィントン、
   クロエ・セヴィニー、スティーヴ・ブシェーミ、ダニー・グローヴァー、
   ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ロージー・ペレス、イギー・ポップ、
   RZA、セレーナ・ゴメス、キャロル・ケイン、トム・ウェイツ、
   オースティン・バトラー、ルカ・サバト

評価:★★




 何だか一月に一度は観ている気がするゾンビ映画。もはやひとつのジャンルとして言って差し支えないコレに、ジム・ジャームッシュが挑む。ポイントは、ゾンビワールドをいかにジャームッシュが己の色に染め上げるか、だろう。何の個性もない世界観になるわけがない。

 …という期待がよろしくなかったか、案外フツーのゾンビ映画ではないか。昨今流行りの変化球版ゾンビ映画ではなく、笑いが意識されても、初期ゾンビ映画の設定が大切にされ、ゆっくりのそのそ闊歩するゾンビとそれに面食らう人々が映し出される。ただし、ジャームッシュ調で…。

 …で、このジャームッシュ調が『デッド・ドント・ダイ』ではあまり良く効いていないように思うのだ。テンポや間合いの独特さは紛れもなくジャームッシュだし、音楽の意表の突き方も悪くない。でも、何と言うか、豪快さにも洒落っ気にも乏しくて、ジャームッシュがジャームッシュ風にゾンビで遊んでみました…という安易な気配につきまとわれる。

 物質主義の遺物だというゾンビの佇まいと、人と自然の繋がりが豊かなジャームッシュの味が、思いの外、しっくり来ない。いや、しっくり来過ぎたと言うのが正解か。「拙い結末になる」というセリフを真顔で繰り返すアダム・ドライヴァーと、その隣で飄々とした空気感を貫くビル・マーレイ。いつも通りで…いつも通りでも何か、嬉しくない。

 だから細部に見え隠れする面白ポイントを愛でることに集中しよう。第一にティルダ・スウィントン。刀を振り回す葬儀屋という、わけの分からない役どころにジャームッシュの日本びいきが見えて、スウィントンの周りだけ別世界みたい。役柄のオチも…ナニソレ!とんでも映画か!

 第二に森の匂い。こちらはいつものジャームッシュそのままでも大いに安心する。森の中を走る道を若者たちが乗る車が行くショットがあるけれど、森の深いところに向かっていく感じに妙にホッとするのだ。その他の場面も緑色が目に優しく、同時に土の匂いが立ち上がる。「デッドマン」(95年)「パターソン」(16年)を撮ったジャームッシュらしい匂い。この点はゾンビ映画との相性も良い。





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