ハリエット

ハリエット “Harriet”

監督:カシ・レモンズ

出演:シンシア・エリヴォ、レスリー・オドム・ジュニア、ジョー・アルウィン、
   ジャネール・モネイ、クラーク・ピータース、
   ヴァネッサ・ベル・キャロウェイ、ヴォンディ・カーティス=ホール、
   ジェニファー・ネトルズ、オマー・J・ドージー、ティム・ギニー、
   ザッカリー・モモー、デボラ・アヨリンデ、
   ヘンリー・ハンター・ホール、トリー・キトルズ、
   ジョセフ・リー・アンダーソン、アントニオ・J・ベル、CJ・マクバス

評価:★★★




 恐れは敵だ。神を信じろ。これは主人公ハリエット・タブマンが牧師に言われて以来、心に掲げ続ける言葉で、ほとんど彼女自身を表したそれと言って良いのではないか。タブマンは奴隷解放組織の中で並外れた成果を上げたアフリカ系女性。彼女はどんな生き方を貫いたのか。

 …というわけで極めて立派な人物を取り上げているのだけれど、意外や堅苦しさとは無縁だ。もちろん白人が黒人を奴隷として扱うことに何の疑問も抱いていない深刻さこそあれ、タブマンの偉業を並べることに執着しない。

 タブマンが成し遂げたことがことが大胆不敵を極めるがゆえ、ちょっとした冒険小説風の空気が漂っているのだ。生まれながらの奴隷である黒人たちを、神がかり的な機転を利かせて助けていくヒロインが、次第にサスペンス映画・アクション映画の主人公に見えてくるくらいだ。

 おそらくタブマンが睡眠発作の気がある点に対する演出は賛否が割れる。彼女は発作の度に過去を思い出し、神と対話し、最善を見つける。ご都合主義と取られかねない危険を秘めている。実際話がやや単調化される。ただし、それが世界観に溶け込んでいるあたりは見逃してはいけないだろう。

 橋渡しをするのは、黒人たちの魂を謳い上げるゴスペルだ。彼らは言葉を交わさなくとも、ゴスペルを通じてその心を通わせる。タブマンも歌う。語り掛け、引き寄せ、そして心を重ねていく。次第に彼女が神々しい光に包まれていくのだ。

 そこでシンシア・エリヴォなのだろう。彼女の声は良く響く。その佇まいと歌声に触れた者の中に、黒人に限ることなく、人間が生きていく上で最も大切なものを浮かび上がらせていく。その活躍ぶりからモーゼと呼ばれるのには笑ってしまうけれど、エリヴォはダイナミックに役柄の芯を捉えていく。いくつかの演説場面、歌声が鳴る場面、そしてかつての主と対峙するクライマックスなど、黒人たちの魂が飛翔するかのようではないか。





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