デンジャラス・ライ

デンジャラス・ライ “Dangerous Lies”

監督:マイケル・M・スコット

出演:カミラ・メンデス、ジェシー・T・アッシャー、ジェイミー・チャン、
   キャム・ギガンデット、サッシャ・アレクサンダー、エリオット・グールド

評価:★★




 何と言うか、いかにもB級映画の佇まいだ。最初からそれを狙っているような。日本で言うなら、懐かしの「火曜サスペンス劇場」と言ったところ。大金の絡んだ分かり易い事件が真ん中に置かれ、それに翻弄される女が主人公になる。どう転んでも一流にはなれない外観ながら、でもたまにはそんなノリの映画もイイよね…というニーズを満たす。寛容の気分を誘う『デンジャラス・ライ』だ。

 いかにもな設定や登場人物が、いっそ楽しい。突然の強盗事件。富豪。豪邸。介護人としての仕事。鍵付きの箱。札束。遺産。保険業者や不動産屋、弁護士、そして刑事…と出てくる人間は皆怪しく、夫でさえ信じられない。いやホント、どこを切ってもチープなのだけど、それを味方につけてしまうのが可笑しい。

 そうして選ばれたキャストがお値段安めなところがまだ、愛らしいではないか(もちろんエリオット・グールド先生は除く)。主演を務めるカミラ・メンデスはTV界では躍進著しくても、映画界では無名に等しい。眉毛、目、エラ、顎、肉つき…どのパーツも気が強そうなところが良い。隠そうにも隠せない女優としての野心。デイジー・リドリーに似過ぎな気もするけど。

 彼女を取り巻く怪しい人間たちの動きが素晴らしい。富豪の遺産を思いがけず相続したメンデスに対して、突っ込み所満載の奇怪な動きを見せる。キャム・ギガンデットなど登場場面からあまりにも分かり易くて笑うけれど、いちばん美味しい役どころなのは夫役のジェシー・T・アッシャーだろう。良き夫であるはずの彼が露わにする、強欲な一面が、後半のサスペンスを引っ張る。果たして彼は良い人物か。

 そう、実は事件の真相は、話の軸に通っていない。おそらく作り手が描きたかったのは、金は人を変えるということだ。大金を手にした人間も変わるものだけれど、どうにもならない困窮もまた人を変えてしまうのだ。それを体現するアッシャーと、そこに愛はあるのか苦悩するメンデスの右往左往こそが、作り手の狙いだ。気持ちは分かるものの、それよりも事件を捻って欲しかった気もする。

 でもまあ、いちゃもんをつけるのも楽しいのが、この手の安いスリラーだったりするしな。こいつバカだなとか、どうしてそっちに行くかねとか、別の方法があるだろとか、思わず口に出してしまう穴が愛敬に繋がる。無駄な考察、無駄な死亡も多い。ただヒロインが巻き込まれ型のまま終わるのは、さすがにどうか。もっとアグレッシヴに真相に絡んでも良かったのでは?最後まで受け身なのはストレスが溜まるというものだ。





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