マクマホン・ファイル

マクマホン・ファイル “The Last Thing He Wanted”

監督:ディー・リース

出演:アン・ハサウェイ、ベン・アフレック、ロージー・ペレス、
   エディ・カテギ、メル・ロドリゲス、オナタ・アプリール、
   トビー・ジョーンズ、ウィレム・デフォー

評価:★★




 武器商人にまつわる問題を取り上げた映画は少なくない。殺人兵器はもちろんのこと、ドラッグや金、そして私利私欲が絡む思惑の数々からドラマやサスペンスを引き出しやすいのだ。だから『マクマホン・ファイル』はもっと面白くなって良いはずだった。全編ノンストップの犯罪劇になってもおかしくなかった。それなのに…。

 …それなのに、この退屈とのんびりした気配は何なのか。アン・ハサウェイ演じるジャーナリストが巻き込まれる犯罪自体が整理されていないのが要因のひとつだ。1980年代半ば、ロナルド・レーガン政権下の中米への武器の横流しを暴き出す部分があまりに説明不足で、そちらに知識のない人が見たら、おそらくちんぷんかんぷんなのではないか。政治の闇の部分を請け負うベン・アフレックなど、ほとんどただ出てくるだけではないか。

 もうひとつの理由は物語のペース配分が酷いことだろう。冒頭のハサウェイはエルサルバドルで身体を張った突然取材をしている。どうやらジャーナリズムというものについて迫りたいようで、それに割かれる部分が余計だ(そちらは物語の中で語れば良い話だ)。ようやく事件が動き出したかと思ったら、今度は父親や娘の問題がちょくちょく足を引っ張る。それがやっと引っ込んだと思ったらCIAやフランスのスパイまでが顔を出し、エピソードの羅列に終始する。

 おそれくこれは武器や金の流れという物語の軸となるべきものを装飾に使ってしまった結果だ。では作り手は何に焦点を当てたのか。それはもう、主人公の生き方というものに違いない。「誰が命より金を選んだか」。その謎を突き止めるべく走るヒロインの信念と、その暴走に見えなくもない正義感が招く悲劇。パソコンやスマホがない時代の記者魂、それをやけに崇める。

 まあ別に、そうしたいならそうしても良いのだけれど、それと引き換えに闇社会の身の毛がよだつ恐ろしさが消え失せてしまった。必要悪を理由に平然とまかり通る腐敗と、それを利用するモラルのバランスを欠く者たち。そしてその犠牲になる人々。これが世界だ、これが社会だと迫りくるものが立体的に立ち上がらない。全ては机上で語られる。

 そんなわけで最も驚かされるのは物語ではなくハサウェイの容貌の変化だったりする。ほとんどすっぴんに近いメイク(とその結果により露わになる額のシワ)もさることながら、その体型がすっかりオバチャンなのにひっくり返る。やけにだぼだぼの服装が多いと思ったら(記者役なのにスカートばかり)、ウエストが消滅している!全力疾走する場面は牛が走ってるみたいだ!おそらく出産直後でまだ身体が完全に元に戻っていなかったのだと察する。その割にバストトップを露わにするヌードまで見せるのは…女優魂と言って良いのだろうか。あ、そうか、これは役作りなのかもしれない。





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