ハーレイ・クインの華麗なる覚醒/BIRDS OF PREY

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒/BIRDS OF PREY “Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn”

監督:キャシー・ヤン

出演:マーゴット・ロビー、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、
   ジャーニー・スモレット=ベル、ロージー・ペレス、クリス・メッシーナ、
   エラ・ジェイ・バスコ、アリ・ウォン、ユアン・マクレガー

評価:★★




 本来、苦手とするキャラクターのはずなのだ。『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒/BIRDS OF PREY』の主人公ハーレイ・クインのことだ。何と言っても、絵の具をたっぷりの水で薄めてぶちまけたようなカラーデザインが好みではない。フェイスメイクこそしっかりなされているものの、その他の部分の寝ぼけた色遣いは、大味さに繋がるそれだ。常にぎゃんぎゃん煩いのもどうか。

 ところがこれが、マーゴット・ロビーが演じることで魅惑的に見えてくるから不思議だ。目力の強いロビーの女豹的、ヴァンプ的個性(はすっぱを魅力的に見せる)がハーレイ・クインの女ピエロ風容姿に命を与える。おそらくロビーは自分を笑い飛ばせる人で、キャラクターと一定の距離感を取りながらも、そこにユーモアをふんだんに放り込む。茶目っ気がある。

 ハーレイ・クインで最高なのは、武器としてバットを持つのがサマになるところではないか。鬼で言ったら金棒になるだろうそれが、ファッション性を帯びながら振り回される。次々ぶちのめされる人々や物に快感が宿る。罪悪感は感じさせない。バット捌きならイチローかハーレイ・クインということだ。

 問題はこの強烈キャラクターの纏う空気を、そのまま作品の世界観に持ち込んだところだろう。ポップでキッチュな画面の色合いはゴチャゴチャするだけで落ち着かないものになり、良い意味で目に焼きつかなければならないカオスが雑多で汚らしく映る。ポップカルチャーというものは、おもちゃ箱をひっくり返したように何でもありに見えて、案外「スタイル」に支えられているもの。ここではヒロインのそれに頼り過ぎなのだ。

 …ということは、アクションにも言える。ユニークな動きを見せるハーレイ・クインが散発的に面白く見える部分はもちろんある。ただ、その積み重ねがアクション全体の満足感に繋がらない。例えば、クライマックスの遊園地場面はもっと弾けた画が連発されても良いはずだし、カーチェイスには意表を突く角度や展開があるべきだ。桟橋のイメージもぼんやりしたまま。演出にスタイルというものが全く見えない。

 話はあからさまにに#MeToo時代を意識したものなのが気恥ずかしい。常に「女をなめんな!」と叫び続けるものの、こういうのはハーレイ・クインのアナーキーな魅力とは相性がよろしくない。女たちの自立や結束というワンテーマはあまりに単純だ。危険な香りがなく、結局行儀の良い女たちの戯れに見える。





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