ネスト

ネスト “The New Daughter”

監督:ルイス・ベルデホ

出演:ケヴィン・コスナー、イヴァナ・バケロ、サマンサ・マシス、
   ノア・テイラー、ガトリン・グリフィス、ジェームズ・ギャモン、
   エリク・パラディーノ、サンドラ・エリス・ラファーティ

評価:★★




 弟の学校の理科の授業における観察を通じて、幾度となくアリの生態が語られる。どうやらその“魔物”はアリと似た生態を持っているらしい。種族の大半はオスで、彼らは種の存続のために、一人のメスを崇め奉る。ズバリ、メスは女王である。ただし、ヤツらは同種から女王を迎え入れることはしない。どういうわけだか人間の少女に狙いを定めるのだ!ウッソォォォーン!

 『ネスト』はこのとんでも設定を大真面目に撮っているところを楽しむべきなのかもしれない。ほとんどユーモアセンスのないケヴィン・コスナーを主演させているあたり、ホンキを感じなくもない。ちゅーか、コスナー!アンタ、こんなところで何をしているのだ。とうとう来るところまで来たねー。そのなりふり構わない仕事っぷり、「ウォーターワールド」(95年)やら「ポストマン」(97年)やらワケのワカラン駄作を連発していた頃より、断然イカす!絶対気のせいだけど。

 つくづく思うのは、ホラー映画では作り手の美意識が極めて重要だということだ。恐怖刺激をばら蒔くだけでは、ちっとも感じ入るところがない。そしてそれは恐怖の希薄さにも繋がっていく。不気味な家の軋み。何者かの足音。獣を思わせる咆哮。何かがいる気配だけを描写して、一見見せない怖さで勝負をしているようなのだけど、どうやらこれは予算が少なかった結果らしい。冒頭でいきなり、遠目からではあるものの、“魔物”の姿を映し出して種を見せてしまうんだから。ここには作り手がこう撮りたいという意識がない。ただ脚本をそのまま映像にしているだけ。

 “魔物”のデザインにも、案の定と言うべきだろう、独創性はない。いや、それどころかほとんどエイリアンじゃないだろうか。どろっとした液体が全身を伝い、目らしきものは見当たらず、口を大きく開けて対象物を食い殺す。ホント、エイリアンの親戚状態。彼らの描写にしても、女王様制度があるぐらいなのだから、もっと儀式めいた見せ方ができるはずだし、ホラーアイテムにも凝って欲しかった。存在を仄めかすアイテムがワラ人形ってアンタ、ソレ自分たちで編んだのか。起用ジャン!

 そんなわけで作り手は、映画をイヴァナ・バケロ一人に背負わせている。「パンズ・ラビリンス」(07年)と同一人物とは思えないバケロは、泥まみれになるわ、首に“魔物”に噛み跡をつけられるわ、汚い言葉でコスナーに歯向かうわ、まるで霊にとり憑かれたかのように奇怪な行動に走る。その際の射るような目に女王の力が宿る。エイリアンのバッタモンの女王だけど。なお、バケロの肩甲骨を翼のように見せるところは、数少ない面白ショットのひとつと言えよう。





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