好きだった君へのラブレター

好きだった君へのラブレター “To All the Boys I've Loved Before”

監督:スーザン・ジョンソン

出演:ラナ・コンドル、ノア・センティネオ、ジャネル・パリッシュ、
   アナ・キャスカート、イズラエル・ブルサード、
   アンドリュー・バチェラー、トレッツォ・マホロ、マデリン・アーサー、
   エミリヤ・バラナック、ジョン・コーベット

評価:★★




 考えてみて欲しい。これまで恋焦がれた人それぞれに向けて書いた恋文が、その当人たちへ誤配達されてしまったら?それが十代の自分に起こったとしたら?大人になったら大したことないと笑い飛ばせても、まだ世界を知らない未熟な魂はきっと、この世の終わりを覚悟するのではないか。男も女も関係ないはずだ。『好きだったラブレター』はまず、物語の出足で軽快なジャンプを決める。

 そして、それに足を取られてぐずぐずしないのが良い。ひょんなことからヒロインの少女は学園のお調子者と交際しているフリをすることになる。いくらジョン・ヒューズ映画へのオマージュだと言っても、その後の展開はありふれている。少女とお調子者が結ばれないわけがないのだ。でもまあ、若いふたり、許してやろうじゃないかと寛容な気分になる。もちろん十代なら簡単に彼らの恋模様に自分を重ねられるだろう。

 いちばんの見せ場はどこだろう。学校のスキー旅行で一緒にホットバスに入る場面だろうか。青白い光に包まれた神秘的な(チープと言ってはいけない)空間の中、半裸の少年と少女が接近する。接吻もしちゃう。少女の父親が産婦人科医でコンドームを持たせてくれたのに、これが限界のセクシー描写だ。まあ、でもこんな些細なことへのドキドキは、誰だって通過するものだ。目くじらを立てるのは野暮。尤も、交際のフリをし始めた序盤で、抵抗なく少年が少女のパンツの尻ポケットに手を突っ込んだり、抵抗なく少女が少年の頬にキスしたり…はどうなんだ…という突っ込みも一応しておく。

 それに好感度が高い話ではないか。キャラクターが皆大切にされるのが大きい。昔好きだった相手の気持ちも無下にされないし、恋敵でさえただの嫌な女で終わらせることなく、その傷ついた心がフォローされる。特に少女の三姉妹関係が良い味わい。家族の距離感もちゃんと話に組み込まれ、物語を展開させる役割を果たしている。

 それからこのSNS時代、「手紙」の持つパワーが取り上げられるのも良い。SNSで伝える言葉は軽い…と言い切るのは、いかにも古臭い考え方だけれど、それでもやっぱり直筆の手紙には一文字一文字に重みが感じられる。そして作り手もそう思うからこそ、クライマックス近くで再び「手紙」をフィーチャーするのだ。それは愛の言葉でなくても構わない。ありふれたメッセージが代わりに、愛の言葉に変身する。

 ラナ・コンドルとノア・センティネオ、この主演ふたりの魅力はイマイチ分からない。コンドルは愛想がなさ過ぎるし、センティネオは東出昌大を垢抜けない方向に持っていった感じ。ただ、この話なら日本でも簡単にリメイクできそうだ。例えば、伊藤沙莉と山田裕貴の組み合わせでどうだ。ちょっとパンチが効き過ぎるかな?





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