グッドライアー 偽りのゲーム

グッドライアー 偽りのゲーム “The Good Liar”

監督:ビル・コンドン

出演:ヘレン・ミレン、イアン・マッケラン、ラッセル・トヴェイ、
   ジム・カーター、マーク・ルイス・ジョーンズ

評価:★★




 今やインターネット上の出会いは若者だけのものではない。ジイちゃんバアちゃんだって余生を目一杯楽しもうと、マッチングサイトを有効活用、『グッドライアー 偽りのゲーム』ではイアン・マッケランとヘレン・ミレンがキーボードをいそいそ叩いて相手探しに熱心だ。マッケランとミレンは自己紹介欄に嘘を並べる。自分を良く見せたいのは、老若男女変わらないと苦笑い。

 マッケランが詐欺師、ミレンが金持ちの未亡人。マッケランがミレンの財産を頂戴しようと偽の愛を囁く展開にドキドキする。今にもショック死しそうで気が気ではない…からではない。このふたり、そう言えば意外にも初めての顔合わせ。映画ファンはおそらく、それだけで嬉しい気分が隠せないだろう。それにミレンがマッケランの仕掛けた罠にやすやす引っ掛かるはずがない。思いがけない展開が待っているはずだ。

 果たして、確かに思いがけない展開はある。ロンドンで繰り広げられるゲームが、場所と時空を超え、ちょっとした時間旅行の気配を醸し出す。戦争の影がちらつくのだ。その際、物騒なナチスという言葉も出てくる。血生臭さも前面に出る。

 これに必要以上にギョッとしてしまうのは、観る側の問題もあるのかもしれない。マッケランとミレンの騙し合い。それならばきっと、大人の男と女による(この場合は、分別あるジイちゃんバアちゃんによる)洒落た駆け引きを楽しめるに違いないと期待するのがフツーではないか。心理戦で思い切り酔わせて欲しい。ところが浮上するのは、恨みとか復讐とか、とにかく陰惨な匂いだ。

 地下鉄場面で見せるマッケランの冷徹さで気づくべきだった。これは名優ふたりを使って決して逃れられない人間の業を炙り出すスリラーなのだろう。クライマックス、たっぷり時間をかけて明かされる物語の全容にはしかし、大変な唐突感があり、尤もらしく語れば語るほど、その仰々しさが鬱陶しくなる。笑顔の消えた老優ふたりは、どちらもさすが芸達者。でも、観たいのはそれじゃないんだ。

 コンゲーム映画と言うと、その頂点はやっぱり「スティング」(73年)あたりだろうか。それこそマッケランとミレンにはあの軽妙さで、押したり引いたりして欲しかった。マッケランのラストショットがあれでは、あまりにも不憫ではないか。ねえ、マッケランLOVEのはずのビル・コンドン先生!





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