ティーンスピリット

ティーンスピリット “Teen Spirit ”

監督:マックス・ミンゲラ

出演:エル・ファニング、レベッカ・ホール、アグニェシュカ・グロホフスカ、
   ズラッコ・ブリッチ、クララ・ルガアード、アーチー・マデクウィ、
   ルアイリ・オコナー、ジョーダン・スティーヴンス、アースラ・ホリデイ、
   ミリー・ブレイディ、オリーヴ・グレイ

評価:★★




 田舎でくすぶっている若者が夢を追いかけて大都会に挑む物語は、星の数ほどある。この手の話で手っ取り早いのは、「成功」の証として「コンテストの優勝」が掲げられている場合で、『ティーンスピリット』はもろこのパターン。歌好きの少女がオーディション番組の優勝目指し、ロンドンの頂点に狙いを定める。

 …って最近の出来事でどうしたって思い出すのは、スーザン・ボイルやポール・ポッツの成功談だ。彼らの場合は美声(と容姿のギャップ)が話題を呼んだわけだけれど、ここではエル・ファニングが夢の実現へとまっしぐら、既に可愛さだけなら大量リードだ!…なんて言いっこなし。

 ファニングの魅力は相変わらず不思議だ。身長こそモデル張りに高いものの、幼過ぎる顔立ちも、凹凸のない身体も、顔と身体のバランスも、パーツだけ取り出すと決して完璧ではない。なのに、全体の印象は妖精が人間に変身しているかのように、唯一無二のオーラを発散する。全く持って、捉えどころのない愛らしさの持ち主なのだ。

 議論となるのはおそらく、その歌唱力だろう。決して下手ではない。下手ではないけれど、騒ぎ立てるほど上手くもなく、そして役柄の魂を吹き込む術もなく、世界が熱狂するとはどうしたって思えないのだ。いや、完璧でないところを楽しむべきなのか。役柄だって最初はだからこそ田舎でくすぶっていたわけだし。でもなぁ、最後の渾身パフォーマンス、そんなに良かったか?

 …と冷静になるのは、歌手としての成功と並行して描かれるその青春模様や人間関係がやたら軽く扱われているからだ。これは偏見だけれど、そもそもオーディション番組云々というところからしてミーハー要素があり、それなのにそれにすら真剣に向き合っているとは思えない酔っ払いエピソードやら、男性スター歌手とのすったもんだエピソードやらが前面に出る。本当に歌手になる気あるのかと問いたくなる。

 つまりそれは役柄に一体感を持てないということで、パフォーマンスに物足りなさを感じるのは、それが原因なのだろう。幼い頃に家を出て行った父親への想い。育ててくれた母親との確執。マネージャーを買って出たクロアチアのオッサンとの微妙な距離。それを全てまとめ上げるのが音楽パフォーマンスのはずなのに。歌手になりたいのではなく有名になりたいだけなのではないかと勘ぐられるのは本意ではないだろう。





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