テッド・バンディ

テッド・バンディ “Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile”

監督:ジョー・バーリンジャー

出演:ザック・エフロン、リリー・コリンズ、カヤ・スコデラーリオ、
   ジェフリー・ドノヴァン、アンジェラ・サラフィアン、ディラン・ベイカー、
   ブライアン・ジェラティ、ジム・パーソンズ、
   ジョン・マルコヴィッチ、ハーレイ・ジョエル・オスメント

評価:★★




 ザック・エフロンは今でもハンサムと言って良いのだろうか。このところ考え込まずにはいられないテーマだ。アイドル時代の名残りはその笑顔に感じられるものの、激しい肉体改造がもたらしたのは、シックスパックとやたらぎらついた油っこい自己愛臭だ。何と言うか、浅黒い容姿が鏡に己を映してうっとりするボディビルダーを思わせる。

 『テッド・バンディ』でエフロンはタイトルロールを演じる。30人以上の女性を殺害した実在のシリアルキラーだ。被害者は皆美人で、本人は相当ハンサム、事件発覚後はファンまでできたという。今のエフロンにそれに説得力を持たせられるものがあるか、疑問だ。まあ、実際のバンディを見ても「イイオトコ」とはピンと来ないから、こんなものかもしれない。

 でも、それならば容姿以外のバンディの魅力を掴まえなければならない。どんな手口で女性を罠にかけたのか。どんな言葉を囁いて女性を油断させたのか。リズという名の女性に手をかけなかった理由はどこにあるのか。映画はバンディにまつわる謎に回答を示さない。

 と言うか、そもそもバンディは本当に殺人鬼なのか。映画は明確な立ち位置をなかなか明らかにしないのだ。バンディとリズの出会いなど、ちょっと安めのロマンティック・コメディみたいだし、バンディの立ち居振る舞いの中に殺人鬼を思わせる狂気がちらつくこともない。バンディは物語が始まってすぐあっさり逮捕、早々と裁判劇に突入する。観客は置いてけぼりにされる。

 裁判と並行しながら、そこに至るまでの出来事が回想形式で描かれる。その際に殺害場面は用意されず、リズとの掛け合いは煮え切らないそれで処理される。弁護士を解雇し、自ら己を弁護する件こそ身を乗り出すものの、アッと言わせるほどに弁が立つわけでも、思いがけない作戦が仕掛けられるわけでもない。

 クライマックスは死刑を先延ばしにしようとするバンディと、彼の元を訪れるリズの面会場面だろうか。この際バンディが涙を見せても、ちっとも胸に迫らない。バンディの蛮行がひとつ明らかになっても、怖くなることすらない。リズの絶望も形にならない。バンディが結局薄っぺらのまま終わっていくからだ。彼には驚きがないのだ。いよいよスゲーことになっているハーレイ・ジョエル・オスメントの変貌のようには…。





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