ゾンビランド:ダブルタップ

ゾンビランド:ダブルタップ “Zombieland: Double Tap”

監督:ルーベン・フライシャー

出演:ウッディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ、エマ・ストーン、
   アビゲイル・ブレスリン、ロザリオ・ドーソン、ゾーイ・ドゥイッチ、
   ルーク・ウィルソン、トーマス・ミドルディッチ

評価:★★★




 ここ10年のゾンビ物は「ウォーキング・デッド」(10年~)の独壇場だったわけだけれど、それに待ったをかけるべく「ゾンビランド」(09年)が帰ってきた。…なんて気張ったところはまるでない。『ゾンビランド:ダブルタップ』はやっぱり、本流ゾンビ物とは違う。ゾンビが蔓延る世界を借りて、人間の可笑しみを炙り出すのが使命だ。

 …と言ってもオープニングからゾンビ退治場面は快調そのものだ。お馴染みの四人組がマシンガンをぶっ放しながらゾンビを次々なぎ倒すのだ。映像はスローモーション。血は美しく飛び散る。頭は残酷に砕ける。四人組は余裕の表情をキメる。バックにはロックミュージックがご機嫌に鳴り響く。ゾンビたちも思うことだろう。もう一度死ぬならこんな死に方、サイコー。

 四人組全員がオスカーノミニーという肩書きを引っ提げての帰還だ。いちばん変わったのは、もちろんアビゲイル・ブレスリンだ。「リトル・ミス・サンシャイン」(06年)を見ればふくよかに成長することは想像できたものの、それを全く隠すことなく、むしろグラマラスだと言い包めて見せつけるのが良い。「シェイムレス 俺たちに恥はない」(11年~)のデビーとタメを張る強引さ。こういう勝気な姿勢って好きだ。声が驚くほど低くなっているのもカッコイイ。

 物語の中でウッディ・ハレルソンとブレスリンの「親子」関係、ジェシー・アイゼンバーグとエマ・ストーンの「恋人」関係が、新たなるゾンビとの対決を通して揺らいでいく。画の派手さからゾンビとの対決が前面に出てもおかしくないのに、そちらのインパクトを壊すことなく、人間関係が掘り下げられていくのがスマートだ。誰も彼もがコメディの間が分かっている俳優だから、コントのようでコントにならない。とりわけハレルソンはやっぱりこうでなくては!ふざけ方に芸がある。

 続編らしく新キャラクターが登場する。ただ、オリジナル四人組のコンビネーションの魅力には敵わない。ゾーイ・ドゥイッチの頭空っぽ女はストーンじゃなくても苛つくし、ルーク・ウィルソンとトーマス・ミドルディッチがハレルソンとアイゼンバーグに似ているという設定はさほど効いていない。ただ、いずれもゾンビのエサとしての役割を果たしてくれそうなので、許そうじゃないかと寛容な気分。ロザリオ・ドーソンは相変わらずクールだしな。

 ただし、新種ゾンビの誕生があっさり処理されたのはいただけない。しぶとさが増しているぐらいで新味がなく、よって物語の広がりに繋がらない。まあ、飛んだり泳いだりしたらゾンビがゾンビでなくなってしまうし、ゾンビ映画の氾濫でゾンビの技が出尽くしてしまったのも痛かったかもしれない。それならば四人組とゾンビの関係を「敵対」以外の方向に持っていく方法があったのではないか。まだまだ様々な可能性を秘めた四人組だから、どうしても大きな期待を寄せてしまうのだ。





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