エンド・オブ・ステイツ

エンド・オブ・ステイツ “Angel Has Fallen”

監督:リック・ローマン・ウォー

出演:ジェラルド・バトラー、モーガン・フリーマン、ジェイダ・ピンケット、
   ランス・レディック、ティム・ブレイク・ネルソン、パイパー・ペラーボ、
   ニック・ノルティ、ダニー・ヒューストン

評価:★★




 既視感のある画が並び、物語はありふれている。冒頭の緊迫が訓練場面だったというオチになる流れ。長年の無理が祟り満身創痍の主人公。正義を貫き、けれど逆に犯人扱いされてしまう展開。あからさまな犯人の配置。『エンド・オブ・ステイツ』はジェラルド・バトラー演じるシークレットサーヴィス、マイク・バニングを主人公にしたアクション・シリーズの第3弾。もう、ええっちゅーに。

 …と思ったのだけれど、意外や意外、前二作(13、16年)と同じことは繰り返さないという意思が感じられるではないか。一作目ではホワイトハウスが、二作目はロンドンの街が大変なことになった。今回もそれに倣うかのような画は確かにあるものの、目に焼きつくエピソードもちゃんと用意される。どうせ呆れることになるのなら、そう来なくっちゃ。

 第一にギョッとさせるのは、モーガン・フリーマン大統領暗殺未遂場面の画だ。ドローンが使われる。いや、ドローンだけなら見慣れている。しかし大量のドローンが自爆テロの要領で人間にぶつかってくる画には思わず仰け反る。戦争の形を変えたと言われるドローンだけれど、なるほどこういう悪用の仕方もあるのか。現実に近い恐怖を感じる。

 バニングの家族が出てくるのも、常套手段とは言え悪くない。妻子の画はホッとさせる効果があるし、物語に抑揚をつけることにも貢献する。ただし、目が釘付けになるのはバニングの父親として出てくるニック・ノルティだ。あの有名なマグショットを越える山男スタイルで現れるノルティは、出オチに終わらないインパクト。爆弾魔よろしく己の敷地にやって来た悪漢を吹っ飛ばしていく件、やってることは相当酷いのに、思わず吹き出す。バトラーとの掛け合いもサイコーに笑える。

 これまで事件を物語の真ん中に置いていたのに対し、今回はバニングを物語の軸にしている。事件にバニングが突っ込んでいくのではなく、バニングを描くことで事件の全容を見せる。この試みがある程度機能している。やたら銃弾が飛び交い、ど派手な爆発が起こる。これまで同様の画を畳み掛けても、事件そのものがこれまでとは感触が大分違う。民間軍事企業を担ぎ出してきた時事性もまずまずだ。

 …とは言え、どうしても拭えないのは、シリーズのタカ派気質だ。戦争反対思想への支持を物語の中に打ち出しているものの、ノーノーノー、とんでもない。作り手はこれまで同様残虐な描写を嬉々として撮っている。大分老け込んできたバトラーのイメージもあり(顔がパンパンなのは何故)、アクションが痛快さに繋がらないのは厳しいところだ。シリーズはこれからもこの路線で行くのか。どうせならバトラーとノルティの親子バディ映画に仕立てるというのはどうだ。今回以上のイメージ一新が期待できるのではないか。いや、マジでお願い。





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