ワウンズ:呪われたメッセージ

ワウンズ:呪われたメッセージ “Wounds”

監督:ババク・アンヴァリ

出演:アーミー・ハマー、ダコタ・ジョンソン、ザジー・ビーツ、
   カール・グルスマン、ブラッド・ウィリアム・ヘンケ、
   ジム・クロック、ルーク・ホークス、ケリー・ケイヒル、
   テレンス・ローズモア、ベン・サンダース

評価:★




 スマホを落としただけなのに大変なことになった女の人がいたけれど、『ワウンズ:呪われたメッセージ』の主人公はスマホを拾っただけなのに酷い目に遭う。どうやらこの世のものではない何かが蠢いている気配があり、話のとっかかりは日本製ホラーのようなのだけど、その後は意味が分からない抽象的なイメージの羅列に終始、消化不良が過ぎる。

 何かがおかしい。不穏だ。怖い。これはホラー映画の恐怖演出として基本ではあるものの、何がきっかけだったかとか、何が悪事を働いているのかとか、主人公の何がイケなかったのかだとか、そういう説明一切なしでやられると(本当にスマホを拾ったぐらいしかないのだ)、眺めている側からすると、些細なことを気にしている主人公がバカに見えてくる。

 いや、バカに見えるだけなら良いか。次第に常軌を逸した言動が増えていく主人公の姿から連想する言葉が「ヒステリー」になってくるのは、大いに厳しい。途中ドラッグでハイになる描写があるけれど、それこそドラッグの隠喩ではないかと深読みしたくなるぐらいで、主人公が騒げば騒ぐほど、気分が冷静になっていく自分に気づく。男よ、頭を冷やして出直してきなさいってもんだ。

 スマホに遺された生首動画。至るところに出没するヘンテコな虫(限りなくゴキブリ風)。不快さを誘う演出音。「外見は普通。中身には寄生虫を飼っている」…というそのままズバリのセリフも出てくるものの、それが何に繋がっているのか分からないまま。貞子だとかこっくりさんだとか、そんな分かり易いものは求めていない。いっそ簡単に「悪魔」で良いから、何か直に恐怖を感じられる本体が欲しい。演出力が足りないなら、せめてそれぐらいサーヴィスしてよ。

 終わってみれば、ゴキブリが画面に溢れていたことぐらいしか印象が残らない。頬に口の中が見えるほどの傷を負った男。パソコンの前でお漏らしする恋人。年齢を偽って酒を飲む少年少女。全てがゴキブリに敗北する。ゴキの生命力と存在感を侮ってはいけないことは、ヤツらと格闘したことのある者なら誰でも知っている。ゴキを従えた何かが遂に姿を現す…というときになって、ゴキが画面を埋め尽くすだなんて、何とたちの悪いジョークだろう。

 アーミー・ハマーがクズ男化していく様はあまり似合っているとは言えない。ガタイが良過ぎるのか、時にベン・アフレック風のぼんくら臭を漂わせるのがイケないのか、とにかくホラーと相性が良くないことは分かる。それならばダコタ・ジョンソンかザジー・ビーツをもっと頼れば良いのに。焦らされるだけ焦らされて、ゴキしか目に焼きつかないとは、あぁ…。





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