アザーフッド 私の人生

アザーフッド 私の人生 “Otherhood”

監督:シンディ・チュパック

出演:アンジェラ・バセット、パトリシア・アークェット、フェリシティ・ハフマン、
   ジェイク・ホフマン、ジェイク・レイシー、シンカ・ウォールズ、
   ハイディ・ガードナー、スティーヴン・クンケン、ダミアン・ヤング、
   アフトン・ウィリアムソン、フランク・デ・ジュリオ、ベッキー・ニュートン、
   マリオ・カントーネ、ティム・バグレー、
   モリー・バーナード、エミリー・トレメイン

評価:★★




 「子どもたちを自立した人間に育てた。おかげで私たちは不要になった」。母の日に花もカードも送ってこない息子たち。不満顔の母親三人の会話に出てくるセリフだ。斯くして三人は息子たちの住むニューヨークに連絡もせずに乗り込む。そう、『アザーフッド 私の人生』は痛い母親たちの物語だ。

 他人の痛い行動は見方によっては笑えるもの。…というわけで笑いの大半は母親たちの痛い行動から来る。アルバムやパソコンを無断で見る。交際相手を詮索。勝手に食事作り。お見合い相手の紹介。息子主催パーティに乱入。仕事にダメ出し。他にも色々やった挙句、彼女たちはある結論に達する。「もっと早く干渉するべきだったわ」。笑え…るか!

 いやホント、息子たちの母親への無関心も酷いものだけれど、母親たちの言動が、家族であることを武器にベタベタしまくろうという卑しさを燃料にしているのが、輪をかけて酷い。作り手としては大騒ぎする親子の姿を通して、けれどやっぱり母親は偉大だ、息子たちも結局は母親を愛している…と持って行きたかったことは分かる。ただ、作り手はひとつ忘れている。

 家族関係というのは、それを強調し崇め奉った途端に、腐臭を漂わせ始めるものなのだ。もちろん家族だからこそ分かり合えることもあるだろう。けれど、それに寄り掛かり過ぎると、互いの距離感に微妙な狂いが生じる。そして家族関係というのは、その微妙な距離感の影響をもろに受けやすいものだ。母と息子の関係は、父と息子、母と娘のそれほどややこしくならない傾向にあるけれど、それでもやはり行き過ぎた感情の押し売りは不愉快さに通じていく。

 息子問題を通じて女三人の友情を描くのも狙いのひとつだ。ただし、こちらも機能しているとは言い難い。母親のひとりが母の日の花は自分で送ったと告白するあたりには期待を持たせるものの、息子に対する不満を接着剤に繋がった関係は、上っ面を取り繕ったママ友の友情に毛が生えた程度のもので、彼女たちが傷つこうが喧嘩しようがちっとも胸に迫らない。三大女優の持ち腐れ。

 母のひとりをフェリシティ・ハフマンが演じているからというわけではないものの、女たちの関係をドタバタと共に絶妙に切り取った作品として挙げたいのは、TVシリーズ「デスパレートな妻たち」(04~12年)だ。あれくらいのカラッとしたユーモアと毒が入っていたら、笑える余裕が出たかもしれない。なお、三大女優の中で最も得をしたのはアンジェラ・バセットだ。もう還暦を超えているとは信じ難いキープ力でゴージャスなスタイルも披露する。サイボーグ化の進むハフマンやスタイルに全く無頓着なパトリシア・アークェットに大きく差をつける。バセット、久々の主演で気合いが入ったか。それとも引き立て役に回ったハフマンとアークェットの心が広いのか。どっちでもいいか。





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