マーダー・ミステリー

マーダー・ミステリー “Murder Mystery”

監督:カイル・ニューアチェック

出演:アダム・サンドラー、ジェニファー・アニストン、ルーク・エヴァンス、
   ジェマ・アータートン、アディール・アクタル、ジョン・カニ、
   ルイス・ヘラルド・メンデス、デヴィッド・ウォリアムズ、忽那汐里、
   オラフル・ダッリ・オラフソン、エリック・グリフィン、
   モリー・マクネアニー、ダニー・ブーン、テレンス・スタンプ

評価:★★




 映画スター同士の相性は、世間が思う以上に重要だ。一緒に画面が入ったときにしっくり馴染まないと、違和感ばかり気になり物語や演出に目を向けられない。アダム・サンドラーで言えば、ドリュー・バリモアとの相性が最高。でも、ジェニファー・アニストンもかなり良い線を行く。親しみやすさの種類がおそらく、とても似ているのではないか。

 そんなわけで『マーダー・ミステリー』のふたりはいきなり夫婦役で登場する。サンドラーが刑事試験に落ち続ける巡査で、アニストンがミステリー好きの美容師。その彼らが15年目のハネムーン先であるヨーロッパで殺人事件に巻き込まれる。当然探偵よろしく事件を嗅ぎ回る。その際の、ふたりの掛け合いこそが見ものになる。

 つくづく思うのは、アニストンの喜劇センスが非常にシットコム的だということだ。出世作「フレンズ」(94~04年)のレイチェル役は、映画にどれだけ出演してもTVスターのイメージを払拭できないほどにハマり役だった。アニストンは多分、長らくレイチェルの影に悩まされ続けてきたはずだ。けれどアニストンはもはや、そういう自分を受け入れているように見える。TVスター的で何が悪いと、レイチェル風の間の取り方、表情の作り方で堂々笑いを取りに来る。サンドラーはそんなアニストンを寛容に受け止める。ここにシットコムの笑い声が入っても、全く違和感は感じないだろう。

 そしてそう、確かにサンドラーとアニストンのケミストリーは悪くない。どんなしょーもないセリフだったとしても彼らにかかると、それなりに可笑しく聞こえる。作り手はそんなふたりの相性の良さに甘え過ぎではないか。一応殺人ミステリーなのに、全く持ってミステリーの体を成していない。アガサ・クリスティの小説風に豪華ヨットに乗り込んだ容疑者たち。全員が怪しいと言うより、全員がテキトーに演出される。

 大金持ちの遺産をめぐる事件は、後からどんな風にも理由づけできそうに曖昧で、推理と呼べそうな複雑さはまるでない。作り手もそれに気づいたか、まるで無関係の人間同士を強引に絡ませ、それをどんでん返しと言い包める。次々浮上する「真犯人」がバカバカしい。ちなみに配役を見るなら、ルーク・エヴァンスかジェマ・アータートンが犯人候補だろう。果たして…。なお、忽那汐里は容疑者のひとりとして堂々登場。何とテレンス・スタンプの若い妻役だ。すげぇ。

 せっかくヨーロッパが舞台なのにその良さが引き出されないのは明らかなマイナス点。スペインに着いたと思ったらアッという間にヨットに乗り込んでしまうし、モナコでもロケーションの良さは僅かしか感じられない。それに合わせたかのようにアニストンのリゾートファッションもパンチの効きが悪い。唯一、花柄を飛ばした白い膝上ワンピースが目を引くくらいか。この際、厚底サンダルを履いていることもあり、アニストンの脚がものすごく長く見える。もちろん若作りだと責めるべきではない。これがレイチェル役を永遠に受け入れたアニストンの回答なのだ。





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