ロマンティックじゃない?

ロマンティックじゃない? “Isn't It Romantic”

監督:トッド・ストラウス=シュルソン

出演:レベル・ウィルソン、アダム・ディヴァイン、リアム・ヘムズワース、
   プリヤンカ・チョープラー、ブランドン・スコット・ジョーンズ、
   ベティ・ギルピン、ジェニファー・ソーンダース

評価:★★★




 ロマンティック・コメディのヒロインは完璧メイクの状態で目を覚まし、すぐ転び、洋服選びに1シーンかける。ゲイの友達がいて、スローモーションで走り、結婚式を壊して本当に好きな人と結ばれる。『ロマンティックじゃない?』の主人公はそれに嫌悪感を抱く人物だ。ロマコメ好きの友人にいつも文句だらだら。そして現実はロマコメとは違うと不満たらたら。実際にこの人物がいたら相当鬱陶しい。嫌な女だと感じるかもしれない。

 …が、ここで彼女を演じるのはレベル・ウィルソンなのだ。大きな身体を気にすることなく、いつも豪快に物事を笑い飛ばすウィルソンが演じることで、主人公のチャーミングな部分がくっきり浮き上がる。現実を嘆きながら、けれどそんなときでも自分を俯瞰で見る術を知っていて、己のマイナスオーラを周囲に伝染させない。まことに有り難い。

 そんなわけでこの映画は終始、気分良く見られる。ロマコメ嫌いの主人公は昏睡状態に陥ったことをきっかけにロマコメの世界に迷い込む。自分があんなに嫌っていたロマコメ映画のヒロインになってしまうのだ。病院なのにオシャレ。医者は歯の浮くセリフ。常に音楽が流れ、部屋はパステルカラーに変身。大きなクローゼットには靴がずらりと並び、隣人はゲイの親友に早変わり。思考は常に声を出して行い、恋の花が咲けば始まるのはミュージカルだ。

 ウィルソンはそんな状況に困惑しながら次第に馴染んでいく。そして本当の自分を知る。ウィルソンは身体が大きくてもフットワークは軽い。口からぽんぽん飛び出す言葉にユーモアと魔法を振りかけながら、ヒロインに必要なのは自分を愛することだという結論に向けて前進する。あたふたする様が愉快で、かつとても可愛らしい。

 そう、ウィルソンは可愛い。これが若干の引っ掛かりを残す。ヒロインのロマコメ嫌いは、「誰もがジュリア・ロバーツではない」という母の言葉を発端にしていて、ということは映画がウィルソンの容姿を奇異の目で見ていることは明らかだ。でもそう、ウィルソンは可愛いのだ。身体は大きくても、目鼻口の配置は整っているし(ちょっとかたせ梨乃風)、髪は輝くブロンド。身体の大きさは心の大きさに見える。そういうウィルソンがこの役柄を手掛けるのは、若干(ホントに若干)嫌味ではないか。

 ウィルソンの魅力はロマコメのヒロインらしく披露する鮮やかな色のファッションが証明する。黄色いカーディガンと黒柄スカートの組み合わせ(この際のお団子ヘアも可愛い)。新鮮な風を吹かせる初デート場面の赤いドレス。三つ編みにすれば少女性が見えてくるし、紫色のワンピースは美しさをアピールする。安心できる(予測できる、予測の範囲内に収まる)結末に向かっていくウィルソンは結局、ロマコメのヒロインらしいヒロインだ。せっかくウィルソンが手掛けるのだから、ロマコメの殻を破る何かを用意しても良かった。パロディ映画に終わった感がなきにしもあらず、だ。





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