ライリー・ノース 復讐の女神

ライリー・ノース 復讐の女神 “Peppermint”

監督:ピエール・モレル

出演:ジェニファー・ガーナー、ジョン・オーティス、
   ジョン・ギャラガー・ジュニア、フアン・パブロ・ラバ、アニー・イロンゼ

評価:★




 監督がピエール・モレルだから、どうしたって「96時間」(08年)を思い出す。リーアム・ニーソンが暴走機関車と化す、(公開の時点では)世にも珍しいアクション映画だった。『ライリー・ノース 復讐の女神』ではジェニファー・ガーナーが暴走する。世に蔓延る悪に鉄槌を下す。あぁ、こんな綺麗な人になら殺(や)られたって構わない…とならないのは何故か。

 ガーナーは悪くない。ガーナーがアクション映画から遠ざかったのは私生活の優先と「JUNO ジュノ」(07年)との出会いに理由があったと察するけれど、久しぶりにアクションワールドに戻ってきたガーナーは、やっぱりアクション向きの女優だった。何と言っても、首から肩にかけての骨格が頼もしくて良い。銃になんか頼らなくても、そこいらの男たちを伸してしまいそうな迫力だ。ショートカットにしたらグレン・クローズに似ているのは新発見。

 問題は暴走するガーナーを魅力的に見せられなかった点だろう。夫と娘を目の前で殺される、これ以上ない悲劇な状況。同情を一身に集めてもおかしくないのに、彼女が悪人を殺せば殺すほど、テロ行為そのものにしか見えなくなる。彼女は英雄か殺人犯かという問い掛けが、問い掛けにならない。

 それは復讐に走る、そこにあるべき葛藤が見事なまでに無視されるからだ。「バカを殴ったら、その人がバカになるの」というセリフをわざわざ喋らせ、でも5年後に現れた彼女は単なる殺人マシーンだ。例えばそれは、意地悪なママ友(いや、友達じゃないか)との再会を見れば分かり易い。法を犯していない彼女に銃を突きつけ、縄で縛り、小便を漏らさせる。そんな主人公を誰が応援したくなる?

 作り手はそれだけ絶望が深いのだと弁解するのだろう。でも、とんでもない。そう見せたいがための作り手の態度は作為で不快を極るのみ。弁護士や判事の言動など、不条理を通り越して、何かの冗談じゃないかとしか思えない。作り手は主人公の暴走に手を貸す共犯者なのだ。

 殺人マシーンとなった主人公は、やっぱりか、殺しの手口に芸がない。銃や爆弾を手当たり次第に使う乱暴さで、せっかくガーナーの肉体が無駄遣いされる。聞けばガーナー、アジアを始め世界中で身体を鍛えたらしい。それならばムエタイとかカンフーとかを体得すれば良かったのだ。意表をついてフェンシングあたりでも良い。きっと思いがけず愛敬を獲得したはずだ。





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