塔の上のラプンツェル

塔の上のラプンツェル “Tangled”

監督:ネイサン・グレノ、バイロン・ハワード

声の出演:マンディ・ムーア、ザッカリー・リーヴァイ、
   ドナ・マーフィ、ブラッド・ギャレット、ジェフリー・タンバー、
   M・C・ゲイニー、ポール・F・トンプキンス、ロン・パールマン

評価:★★★




 なんだかディズニー製アニメーションのプリンセス物はすごく久しぶりのような気がする。前作「プリンセスと魔法のキス」(09年)では上映時間の大半でヒロインがカエル姿だったので、プリンセス映画という印象はほとんどないのだ。CGアニメーションが全盛となり、手描きの良さを活かしたアニメーションで力を発揮してきたディズニーは途端に精彩を欠く。ただ、ここに来てようやく軌道修正、本来の姿を取り戻してきたようだ。『塔の上のラプンツェル』は本領発揮作にして、とても新しいプリンセス映画になっている。

 何が新味を吹き込んでいるのかというと、一目瞭然、画が新しい。プリンセス映画としては初めてのCGで、かつ3Dに挑戦している。しかも完璧に成功している。CGアニメーションでは人間を可愛く描くのが至難の業で、あのピクサーでさえも当初は苦戦していた。ところが、この映画のヒロインであるラプンツェルはとても愛らしい。大きな大きな瞳で、長い長い睫毛、そして表情豊かに歌を歌う。陶器のような肌にはグラデーションがあり、その上体温が感じられる。これまでのプリンセス像に立体感が出て、それはまるで人形が命を吹き込まれたかのようだ。手描きの味がCGによる画に伝わっている。

 そして、もうひとつの大きな功績は、髪の表現にある。原作についてはよく知らないのだけれど、ラプンツェルは生まれてこの方髪の毛を切ったことがなく、その長さは何十メートルもあるという設定。この髪はある秘密の力も具えている。したがって、この髪をどれだけ魅力的に魅せるかが重要になるのだけれど、ここでも完璧な勝利を収めているのだ。艶のあるブロンドで、一本一本に生きている躍動が感じられ、思わず触れてみたくなる美しさ。三つ編みでまとめる場面では愛らしさを発散。濡れたときの重みもパーフェクトと言えよう。

 縦の動きが重要視されているアクションでは、この髪の毛が大活躍する。あの手この手、万能ロープのように柔軟な使い方で、窮地を乗り切っていくのが楽しい。女の子なら同じように髪の毛を伸ばしたいと思うだろう。この髪の毛に関する結末にはちょっと「カールじいさんの空飛ぶ家」(09年)と同じ匂いを感じる。意外に大胆な選択。原作通りなのだろうか。ついでに言うと、ラプンツェルの下睫毛にまで繊細な描き込みがなされているのには感心。悪の母の髪型がソバージュなのも正解。芸が細かい。

 小道具の使い方も優れている。フライパンと馬の活躍が繰り返されるのが可笑しくて、何気なく出てきたキャラクターが使い捨てされることなく後に場をさらうのも気が効いている。脚本も丁寧に作られているのだろう。マンディ・ムーア、ザッカリー・リーヴァイ、ドナ・マーフィというメインの3人を担当したヴォイスキャストもドンピシャのハマり具合。通常時の声も歌声も美しい。

 ほとんど唯一にして、見過ごせない欠点は、ラプンツェルがずっと薄紫の衣装で通してしまったことだ。せっかくのプリンセス物なのに、しかも衣装代ゼロなのに、なんて勿体無い。ご都合主義で良いから次々衣装チェンジして楽しませて欲しかった。

 実写映画なら主役コンビの配役はどうすれば良いだろう。アン・ハサウェイとジェイク・ギレンホールか。ギレンホールの代わりにヒュー・ジャックマンか。色々想像させるプリンセス映画だ。





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