ガーンジー島の読書会の秘密

ガーンジー島の読書会の秘密 “The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society”

監督:マイク・ニューウェル

出演:リリー・ジェームズ、ミキール・ハースマン、グレン・パウエル、
   ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ、キャサリン・パーキンソン、
   マシュー・グード、トム・コートネイ、ペネロープ・ウィルトン

評価:★★★




 『ガーンジー島の読書会の秘密』というタイトルがついているものの、読書会場面はたった一回だ。戦後、美しい自然溢れるガーンジー島にやって来た若い女性作家が、とある読書会にまつわる謎を解き明かす。作家は謎を解く探偵であり、それにより本当の自分に目覚める映画ヒロインだ。大変分かり易い。

 ちょっと良い話風、ちょっと考えさせる話風に節度良過ぎるまとめ方が気になりつつも楽しいのは、ヒロインがリリー・ジェームズだからだ。ふっくらした頬ときりっとした眼差し。意志的な佇まいが気持ち良く、その美しいジェームズが緑豊かな島に降り立つのだから、目の保養とはこのことだ(ただし、手の指が短く、形がそれほどシャープではないことに気がついた。それでも可愛いけど)。

 加えて、彼女を囲む読書会メンバーがイギリス俳優界の芸達者ばかりと来た。「SHERLOCK」(12年~)「ダウントン・アビー」(10~15年)の出演俳優やトム・コートネイが顔を見せ、ジェームズとの掛け合いで楽しませてくれる。年齢差がかなりある俳優たちの、しかしそれに囚われることなく、個を尊重するそれに頬が緩む。

 実のところ、読書会のメンバーのひとりであり失踪したエリザベス(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)の描き方には鼻白む。愛と勇気をそのまま人間にしたような立派な人物で、それは「正義」が疎まれる戦時下でも変わらない。嫌な点を描けとは言わない。けれど、ほとんど聖人のような部分ばかりが強調されるのは、かえって嘘臭く、ある意味その人物への冒涜にも思える。

 しかも彼女のパートは物語の性質上、回想形式で描かれることになり、マイク・ニューウェルはその見せ方にもたつくのだ。ジェームズの自我の解放というもうひとつのストーリーが、その度に躓く形になる。編集が上手く行っていないということかもしれない。

 …なんて細々言うべき映画ではないことは確かだ。美しい島の景色と輝くジェームズをを眺めながら、読書会メンバーの真実に心を痛めながらも癒されて…を繰り返すヒーリング効果こそが、この映画の醍醐味なのだろう。短編小説を読んだかのような鑑賞後の気配は、ニューウェルの目指したものとピタリ一致するのではないか。





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