マンモス 世界最大のSNSを創った男

マンモス 世界最大のSNSを創った男 “Mammoth”

監督:ルーカス・ムーディソン

出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ミシェル・ウィリアムス、
   マリフェ・ネセシト、ソフィー・ニュウェイディ、トーマス・マッカーシー

評価:★★




 男はインターネット最大のゲームサイトを創り上げたプログラマー。女は勤務時間が不規則な外科医。彼らには娘が一人いて、その世話はフィリピンから出稼ぎに来ているベビーシッターに任せ切り。現代社会をもろに映し出した彼らが、互いを深く思いやりながらも、その幸せを実感できずにいる様が描かれる。ケータイやネットの普及で繋がろうと思えばいくらでも繋がることができるのに、それが幸せに結びつかないのは現代の病。別にこの映画が語らずとも誰もが実感していることだろう。

 …となると、それをどう見せていくかが重要になるのだけれど、『マンモス 世界最大のSNSを創った男』にはこれだという工夫はほとんど見られない。男は契約ためにタイに出張、女は母に刺されて瀕死の子どもの担当になり、娘はベビーシッターとの距離をどんどん縮めていく。彼らが顔を合わせる場面は僅かしかなく、後はもうそれぞれの空虚な胸の内を象徴するエピソードが並べられるのみ。したがって物語自体に劇的な展開はない。彼らの孤独はどんどん深くなっていくけれど、離れているのなら当たり前という気もする。一緒にいるときの孤独の方が圧倒的に辛いものだろう。押し付けがましさがないのは大いに有難いけれど。

 それぞれの苦悩への対処の仕方は個性が表れる。妻が自分の内に溜め込んでいくタイプなのに対して(ミシェル・ウィリアムスがとても巧い)、夫は癒しを求める。このときの夫のはっちゃけ方が可笑しい。海に入って気持ち良さそうだわ、観光地に出かけてご機嫌だわ、ムエタイを見て興奮するわ、美味いものを喰って嬉しそうだわ、唐突にチャリティをやりたいと言い出すわ、女遊びで甘い言葉を囁くわ。悩んでいる割りに、思い切りバカンス。ある意味得なタイプである。ガエル・ガルシア・ベルナルも何だか楽しそう。少なくとも妻より夫の方が悩み方が「陽」に傾いている。

 映画らしい物語が転がるのは、実はベビーシッターの息子である。弟の面倒を看ないといけないし、バアサンは小うるさいし、でも母ちゃんには会いたいし…。そうだ、僕が働けばママは帰ってくるかもしれないと、危険な行動に出る。フィリピンの下層社会の実態も含め、なんともドラマティック。家族の在り方を問う存在としての意義の他に、作品のアクセント的効果も担っているように思う。

 ところで冒頭、主人公カップルの擦れ違いの生活を説明するのに、セックスが使われていたのに笑った。時間が合わない彼らはセックスする暇もないのだ。そりゃなんて大変なのだ!家族は一緒にいるのがいちばんという結末は、実はオープニングを見ればよく分かる。小難しく苦悩の表情を並べなくても、実感として分かるのである。もっとセックスの意義を訴えても良いくらいだろう。





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