ブラインド 朗読する女

ブラインド 朗読する女 “Blind”

監督:マイケル・メイラー

出演:デミ・ムーア、アレック・ボールドウィン、
   ディラン・マクダーモット、スティーヴン・プレスコッド、
   ヴィヴァ・ビアンカ、ジェームズ・マキャフリー

評価:★★




 デミ・ムーアとアレック・ボールドウィンが本格的に共演するのはスリラー「陪審員」(96年)以来だろうか。当時、ふたりとも「美形」として人気絶頂だったことを思い出す。イケイケドンドンだったあの頃から随分経ち、再び顔を合わせて作り上げた『ブラインド 朗読する女』が完全なるメロドラマなのに、時の流れを感じずにはいられない。

 目指したのは、「美しい不倫」あたりではないか。交通事故で視力を失った元作家がボールドウィンで、夫が脱税で逮捕された煽りを受けてボールドウィンに本を読み聞かせるボランティアをすることになるのがムーアだ。最初は反発し合うふたりがいつしか良い仲に…という流れはラヴストーリーの王道。ただし、突っ込み所は満載だ。大真面目に演出されればされるほど笑いを堪える羽目に。

 どうしても見た目からして揶揄いたくなる。ほとんど老けというものが表面化していないムーアはしかし、確実にサイボーグ人間に近づいている。冒頭から脈略なくブラジャーとパンツ一丁になってボディを自慢したかと思えば、意味なく首を傾げたショットで高級な女っぷりをアピール。違和感が多いのは口回りで、全体の印象は何だかマギー・Qみたいだ。ボールドウィンにサイボーグ化の気配はないものの、かつて色男だったことを一切感じさせない肥えっぷりは言わずもがな。

 数少ない朗読シーンは見せ場なのだろう。ふたりが心を通い合わせる重要な場面のはずだ。ただし、ほとんど「朗読プレイ」なんて言いたくなる奇妙な空気が漂う。おそらく朗読を通して互いの心の澄んだところを引き合わせたいのだろうけれど、元々のイメージがあるからか、そんな素直には受け止められない。…なんて思っていたら、ボールドウィンの目が見えないことをいいことに、ムーアが暑いからという理由でブラジャー姿になるではないか。この際ポイントは、その谷間の作り物感ではない。ブラを装着しているにも拘らず、乳首が丸見えになる点だ。いやー、やっぱりムーアはムーアだわ…。

 それぞれにサブストーリーも用意される。ボールドウィンには彼を師事する青年の登場により作家としての復活の道筋が照らされる。ムーアは夫の本性が露わになることで幸せの意味を考えることを余儀なくされる。ただし、どちらも「美不倫」を強調する以上の効果は上げない。とりわけムーアの夫の描写はほとんどサイコそのもので、ギャグにしか見えない。全編を彩る気取った音楽も笑いに貢献する。

 結局、スターのイメージというものはなかなか変わらないものなのだ。ムーアで言うなら、いちばんのハマり役は「ディスクロージャー」(94年)で異論はないだろう。ムーアが男になる記念作として「G.I. ジェーン」(96年)も捨て難いものの、マイケル・ダグラス相手に「黙って私を抱きなさい」と言える女はムーアしか考えられない。間違っても「ゴースト ニューヨークの幻」(90年)ではない。じゃあ、ボールドウィンはどうか。一押ししたいのは「あなたに恋のリフレイン」(91年)だ。スケコマシスターとしての魅力が全開だからだ。ふたりにはこの路線を突き詰めたキャリアを築いて欲しかった。難しいものだ。





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