トイ・ストーリー4

トイ・ストーリー4 “Toy Story 4”

監督:ジョシュ・クーリー

声の出演:トム・ハンクス、ティム・アレン、アニー・ポッツ、トニー・ヘイル、
   キーガン=マイケル・キー、マデリン・マックグロウ、
   クリスティナ・ヘンドリックス、ジョーダン・ピール、キアヌ・リーヴス、
   アリー・マキ、ジェイ・ヘルナンデス、ジョーン・キューザック、
   ボニー・ハント、ジューン・スキッブ、パトリシア・アークェット、
   ティモシー・ダルトン、ビル・ヘイダー、ローリー・メトカーフ、
   メル・ブルックス、ベティ・ホワイト

評価:★★★★




 ピクサーはこれまで傑作を何本も生み出してきたけれど、結局原点「トイ・ストーリー」(95年)に立ち戻るとき安心感が違う。安心と言っても別に安全な場所で遊ぶのではなく、攻めの姿勢を忘れることなく、その世界観をさらに魅力的に輝かせる。完璧だった「トイ・ストーリー3」(10年)の続きなんて、そうでなければ作れない。

 主人アンディ少年の成長と共に別れを経験したウッディやバズらおもちゃたちは、『トイ・ストーリー4』で再び問題に対処する。一見狂言回しなウッディが抱える悩みが切ない。アンディにとってNo.1おもちゃだった彼はしかし、新しい主人ボニーにとってのNo.1の座からはとっくに転げ落ちている。ウッディは自分の存在意義について知らず知らずのうちに考える。

 …というのをとっかかりに、広がる新たなる冒険と密着する最大のキーワードは「迷子」だ。ウッディの宙ぶらりんの状態を「迷子」とし、主人とおもちゃにとっての幸せが追究される。ただし、「迷子」は決して一面的な問題としては扱われない。個性豊かな迷子のおもちゃが次々登場、それを立体的・多角的に見せるのがピクサーだ。

 ボニーが幼稚園で作ったフォーキーは、スプーンとフェルト、アイスの棒からなる自分をゴミと信じて疑わない。必要とされなくなった哀しみを知るボー・ピープは気丈な振る舞いの中に淋しさと逞しさを覗かせる。バイク乗りのデューク・カブーンはトラウマに苦しみ、繋がったぬいぐるみダッキー&バニーはその環境から毒舌になってしまった。秀逸なのは不良品だったばかりにずっとアンティークショップで暮らすおしゃべりドールのギャビー・ギャビーで、そのホラーな佇まいがさらに傷つき、しかし歓びを見出す様は涙腺直撃必至だ。

 彼らは皆、ウッディの鏡となる。子どもの心に寄り添う。いちばんの仕事をするために何ができるのか。ウッディがそれを悟るからこそのラストの決断は切なさと希望が同居、この世界観が守りに入らないことを証明する。ウッディがいつの間にか「子どもの友達」から「子どもの親」へと視点を移していることを悟らせるのだ。まあ、「3」以上にエモーショナルかと言うと、それは疑問が残る(「自立」がノスタルジーと密着しないからか)。でもそれはもちろん、大変高い位置でのそれだ。

 おもちゃたちが生き生きと動く。その画が未だにこんなにも痛快という事実には、もっと驚いて良い。アニメーションの世界はイマジネーション次第でいくらでも広げられると言っても、いつまでも新鮮な風を吹かせるのは容易いことではない。技術的な進歩もこれ以上劇的に伸びることはないだろう中で、毎度画の力そのもので引きつける力が衰えを知らない。溌剌と輝き続けるおもちゃたち、その命が確かなハートを獲得している証だ。





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