ギャング・イン・ニューヨーク

ギャング・イン・ニューヨーク “Gotti”

監督:ケヴィン・コノリー

出演:ジョン・トラヴォルタ、ケリー・プレストン、
   スペンサー・ロフランコ、プルイット・テイラー・ヴィンス、
   ステイシー・キーチ、ウィリアム・デメオ、レオ・ロッシ、
   クリス・カーソン、アシュレイ・ドリュー・フィッシャー、
   ジョーダン・トロヴィリォン、クリス・マルケイ

評価:★




 つまらない伝記映画がそうなってしまうのは、大抵同じ理由による。主人公の人生の全てを網羅しようとするがあまり、エピソードの羅列に終始、人間の内に蠢くドラマを掬い上げることなく終わるのだ。まあ、映画として取り上げようとするくらいだから劇的なエピソードが多く手を出したくなる気持ちは分かるものの、欲張った末の顛末は悲劇に終わるのが関の山。そして『ギャング・イン・ニューヨーク』はまさしくそのパターンにハマった映画だ。

 ジョン・ゴッティと言ったら、マフィアが民衆のスターだった最後の時代を生きた人物。ガンビーノ一家を率いた男だ。物語は1973年、ファミリーの中で頭角を現してきた頃から、2002年、咽頭癌により刑務所内で命を落とすまでを網羅する。いや、網羅するなんて言っても、エピソードの一つひとつに深く踏み込むわけではない。映画映えしそうな時代を定点観測するのみだ。

 エピソードを並べるにしても、もう少し上手い見せ方があるのではないか。例えばせっかくマフィアの抗争を描くというのに、タメというものが全く効かされないため、サスペンスがまるで盛り上がらない。人物が紹介され、しかし彼らは瞬く間に銃殺される。いや、紹介されるだけマシか。ファミリーに関わる人間は膨大で、紹介されないまま名前だけがぽんぽん飛び出し、勝手にそれらしき者たちが命を落としていく。それについていくことのできない観客はちんぷんかんぷん。人物整理をする気配が一切ない。

 ゴッティを演じるのはジョン・トラヴォルタだ。ギターの音色が印象深く流れる中、「ニューヨークは最高の街だ」とカメラ目線で語り掛ける冒頭から実に楽しそうに演じているものの、その演技ははいつしか陶酔に染まっていく。おそらくトラヴォルタ自身がゴッティに思い入れがあるのだろうけれど、だからと言って別段、役柄に深みが出るわけではない。相変わらず愛敬はあるけど。

 ゴッティなトラヴォルタが自分だけ気持ち良く物語を歩く中、その息子ジョンとして出てくるのがスペンサー・ロフランコだ。さすがに老けが隠せないトラヴォルタと並ぶと、まだまだ肌が若いロフランコは出てくるだけで画面を活気づかせる存在だ。察するにこの父親と息子はなかなか複雑さを湛えた関係のはずで、それならばそれを突っ込んだ物語にしても良かったのではないか。

 それではゴッティを描く意味がなくなってしまうというのであれば、何故彼が民衆から愛されたのかを探る物語にしても良い。ジョン・ゴッティはマフィアでありながら人々から愛された存在で、彼の終身刑が決まったときもその死が伝えられたときも、街は悲しみに包まれたという。それだけの何かがあったことは間違いないのだ。それなのに映画はその点に触れない。それどころかゴッティがファミリーの頂点に立ってから刑務所入りするまでが異様に早く、その栄華がほとんど見られないのだ。トラヴォルタがゴッティを演じるというのに、そのど派手なライフスタイルを伝えないだなんて、正気の沙汰とは思えない。トラヴォルタのスター性の持ち腐れというやつだ。





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