X-MEN:ダーク・フェニックス

X-MEN:ダーク・フェニックス “Dark Phoenix”

監督:サイモン・キンバーグ

出演:ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、
   ジェニファー・ローレンス、ニコラス・ホルト、ソフィー・ターナー、
   タイ・シェリダン、アレクサンドラ・シップ、ジェシカ・チャステイン、
   コディ・スミット=マクフィー、エヴァン・ピーターズ、
   コタ・エバハート、アンドリュー・ステリン

評価:★★




 1992年の物語だ。いよいよシリーズ第一作(00年)と繋がるときが近づいてきたと感慨深く思っていたところ、思わぬ人物が命を落とすではないか。そして混乱する。最初の三作の前日譚と思われた新シリーズはパラレルワールドの話だったのか。いきなり拍子抜けな展開にいちゃもんをつけたくなる。でもまあ、アメコミ映画だしね。細かいことは言いっこなし。

 …なんて観音心を嘲笑うかのように『X-MEN:ダーク・フェニックス』は迷走を続ける。まず何と言っても、これが初監督だというサイモン・キンバーグに全くアクション演出の才能がないのだ。個性的なミュータントの力を楽しむには、どうしたって一定の距離を置いたところから見る必要があるのに、キャラクターにカメラを接近させるばかりで、「アクションの気分を出す」ことしかしない。それぞれの技を見たいだけではない。それぞれの技がカタルシスを生む様を見たいのに、これは拙い。

 ジーン・グレイを主人公にしたのも間違いではないか。…というのも、彼女の技は所謂テレキネシスというやつで、基本はターゲットをひと睨みするだけで事足りる。せいぜい手に動きがつくくらいだろうか。ジーン・グレイが別人格ダーク・フェニックスへと変身してもそれは変わらず、悪い目つきで「キャリー」(76年)ばりの惨劇をデザインしても興奮には結びつかない。それは視覚効果がもたらすショックでしかないからだ。肉体が動かないキャラクターの罠にハマる。

 そしてダーク・フェニックスを敵に置いたことで、このシリーズの良さが消えてしまったのが最大の問題だ。虐げられる者たちの姿に我々が生きる社会が抱える問題を映し出すことで、ドラマ性を獲得したところに新味があったのだけれど、今回気心の知れたジーン・グレイとX-MENたちの対立をメインに語ることで、最重要キーワードが「仲間」だとか「信頼」といった、そこいらにありふれたそれに落ち着き、もはやX-MENで語る必要が感じられなくなってしまったのだ。

 そのダーク・フェニックスをどこぞやの宇宙から来た異星人が目をつけるという展開もそれを後押しする。異星人の説得にダーク・フェニックス=ジーン・グレイの心は揺れる。私が選ぶべき道は…ってそんな簡単な道筋を照らしたところでミュータントが輝くわけがないだろう。異星人のボスを演じるジェシカ・チャステインが全然綺麗に撮られていないのにも文句を言いたい。

 X-MENらしさが感じられるポイントがあるとするなら、プロフェッサーXが見せる「エゴ」に関する問題だ。今やヒーローとして市民から讃えられるプロフェッサーXが見せる、僅かな闇。序盤で彼とミスティークがその点で言い合いになるあたりには身を乗り出す。そう、プロフェッサーXだって常に正しいとは限らない。そこのところを突くのは面白い試みではないか。結局この歓迎は裏切られることになる。何しろプロフェッサーXはさっさと自らの非を認めてしまうのだ。全く、根性が足りない。禿げてる場合じゃないよ。





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