October 4-6 2019, Weekend

◆10月第1週公開映画BUZZ


ジョーカー “Joker”
 配給:ワーナー・ブラザース
 監督:トッド・フィリップス
 Budget:$55,000,000
 Weekend Box Office:$96,202,337(4374) Great!
 OSCAR PLANET Score:63.0
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           主演男優賞:ホアキン・フェニックス
           助演男優賞:ロバート・デ・ニーロ
           撮影賞編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞
           視覚効果賞、録音賞音響効果賞作曲賞

“Lucy in the Sky”
 配給:フォックス・サーチライト
 監督:ノア・ホーリー
 Budget:$27,000,000
 Weekend Box Office:$54,058(37) zzz...
 OSCAR PLANET Score:35.5
 Razzie Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演女優賞:ナタリー・ポートマン
           助演男優賞:ジョン・ハム
           助演男優賞:ダン・スティーヴンス

ルディ・レイ・ムーア “Dolemite Is My Name”
 配給:Netflix
 監督:クレイグ・ブリュワー
 Budget:-
 Weekend Box Office:-
 OSCAR PLANET Score:88.3 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚本賞
           主演男優賞:エディ・マーフィ
           助演男優賞:ウェズリー・スナイプス
           助演女優賞:ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ
           撮影賞、編集賞、美術賞衣装デザイン賞メイキャップ&ヘアスタイリング賞
           録音賞音響効果賞作曲賞

“Pain and Glory”
 配給:ソニー・ピクチャーズ・クラシックス
 監督:ペドロ・アルモドヴァル
 Budget:-
 Weekend Box Office:$152,636(4) Great!
 OSCAR PLANET Score:90.4 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚本賞
           主演男優賞:アントニオ・バンデラス
           助演女優賞:ペネロペ・クルス
           撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞
           視覚効果賞、録音賞、音響効果賞、作曲賞
           国際長編映画賞


※OSCAR PLANET Score…各有力媒体の批評を基にOSCAR PLANET独自の計算法により弾き出した評価バロメーター。作品賞、監督賞&脚本賞レース参戦を目指すのであれば、少なくとも70.0以上は欲しく、80.0以上なら堂々たる資格を具えていると考えて良い。ただし、演技賞や技術賞では作品評価が伸びなくても、候補入りする場合が少なくない。

※Oscar Potential…オスカーチャンスのある部門。太字は特にその可能性が高い。


【総括】
 バットマンの最強の敵として知られるジョーカーの誕生秘話が映画化された。『ジョーカー』がその作品で、大道芸人として生きる男の変貌を描き出す。これはDCコミックにはなかった完全オリジナルの話であり、怪人ジョーカー自体が活躍するわけではないので、その点でコミックファンの期待に応えているかと言うと疑問が残るところのようだが、それを差し引いても観応えのあるドラマが展開するというのが大半の批評家の意見。青年のダークな心情をとことん掘り下げ、ジョーカーがジョーカーになる、その点において圧倒的説得力を獲得しているという。最大の功労者は、もちろんホアキン・フェニックス。体重をごっそり落とし肉体改造した上、その孤独で哀しい心象が怪物性を秘めていく様をそれはそれは見事に描き出している。ジャック・ニコルソンやヒース・レジャーが創り出したものとはまるで違うジョーカー像に胸をかきむしられること確実とのこと。全体としては物語にあまりにも救いがないとの声もあるが、それでも支持派が上回る。賞レースではフェニックスの主演男優賞レース参戦が確実視される他、もしかするとオスカーでは作品賞に滑り込む可能性もあるだろうか。興行的には「ヴェノム」(18年)を抜いて10月公開作歴代第1位の大ヒットスタート。ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞の箔もさることながら、覆面を装着しての映画館への来場の禁止や大型映画館への警官の大量配備等、作品に対して危険なイメージが予想以上に膨れ上がっての結果だと思われる。

※追記:公開前後から急激に不支持派が増えてきた。賛否両論真っ二つというのが正しい見方かもしれない。この作品に限って言えば、この「賛否両論」は歓迎すべき結果だだろう。

 『ジョーカー』はヴェネチア映画祭でプレミア上映されたが、『Lucy in the Sky』はトロント国際映画祭でデビューした一品。女性宇宙飛行士リサ・ノワックの実話を基にした心理劇。宇宙でのミッション後、現実感を失ってしまったヒロインが、不倫に溺れ、次第に狂気の言動に走る様を描く。事件当時はゴシップ報道が過熱したあの出来事をナタリー・ポートマン主演で映像化する。果たして批評は酷評で占められるというまさかの事態。ポートマンは最善を尽くそうと懸命なのだが、如何せん演出の事件へのアプローチに問題があり、ヒロインの内面を繊細に描き出すというよりは女性という生き物を馬鹿にしたかのような、悪い意味で突飛な方向に話が転がっていく。おそらく#MeToo時代を意識しただろう狙いが、完全に空滑りに終わっているとのこと。賞レースからは完全撤退だろう(ラジー賞への警戒は必要か)。興行的にも公開規模に見合わない惨敗に終わっている。

 同じくトロント映画祭でプレミアを迎えたのは『ルディ・レイ・ムーア』。その名がそのまま映画のタイトルになったレジェンドは、際どい下ネタを次々投下するコメディアン、或いはラッパーのパイオニアとして知られる人物で、映画は彼の人生を描く伝記映画になる。…となると誰がムーアを演じるのかが重要になるわけだが、抜擢されたエディ・マーフィがとにかく素晴らしいようで、キャリアベストと言って良い賛辞の獲得に成功している。ムーアが1970年代のブラックスプロイテーションを牽引する存在になってくのは必然だったことを証明する爽快パフォーマンスであり、ムーアの遺産がマーフィの中に今も生きていることを強く感じさせるのだという。映画監督ダーヴィル・マーティンを演じるウェズリー・スナイプスやムーアと心を通わせるミス・リードを演じるダヴァイン・ジョイ・ランドルフも完璧なサポート演技。彼らの演技に引っ張られるかのように、物語も大胆不敵で活力に満ちたムーアの伝記に相応しいそれになっているとか。こうなるとオスカーレース参戦にも期待がかかるが、演技賞中心のそれになるだろうか。もしかすると作品賞候補に挙がってもおかしくないかもしれない。気がかりなのはこれがNetflix映画だということ。映画館での上映は限られていて、映画の都ロサンゼルスでも僅か1館での上映だという。さて…。

 以上3本は秋の映画祭でプレミア上映されたが、『Pain and Glory』は初夏開催のカンヌ国際映画祭で披露されたスペイン映画(プレミアは本国が先)。スランプ中のヴェテラン映画監督が、性の目覚めや初恋など、これまでの人生を振り返る様を描く。この内容でペドロ・アルモドヴァルが監督と来れば、彼の自伝的要素が強い一本だと想像がつく。批評家はこれまでの映画人生の記憶を掘り起こすアルモドヴァルの試みに共感、圧倒的支持を表明。充実した作品を作り続けてきたアルモドヴァルだからこそ辿り着ける境地が描き出され、それが一流の映画術と絡み合い、唯一無二の世界観が創造されているとか。主演男優アントニオ・バンデラスはキャリアベストのパフォーマンス、脇を固めるペネロペ・クルスも見事な存在感だという。本作はオスカー国際長編映画賞スペイン出品作に選ばれているが、候補までは間違いないとの声。その他主演男優賞や脚本賞等でも健闘に期待がかかる。興行的にも熱心なアルモドヴァルファンが詰めかけたか、充実の出足。





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