ハート・オブ・ウーマン

ハート・オブ・マン “What Men Want”

監督:アダム・シャンクマン

出演:タラジ・P・ヘンソン、オルディス・ホッジ、トレイシー・モーガン、
   シェーン・ポール・マッギー、ジョシュ・ブレナー、
   ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ、タマラ・ジョーンズ、
   フィービー・ロビンソン、マックス・グリーンフェルド

評価:★★★




 メル・ギブソン主演の「ハート・オブ・ウーマン」(00年)のリメイク。…と言っても、タラジ・P・ヘンソンが主演だから男女の設定が逆転する。ヘンソンが霊能者より頂戴した謎のお茶を飲み、世の男どもの心の声が聞こえる能力を手に入れる。これを女性の社会進出にまつわる問題と絡めて描くところが『ハート・オブ・マン』のポイントだ。

 ただし、この設定が巧く機能したかと言うと、粗が目立つというのが正直なところ。彼女が力を「仕事」で利用するのは良いのだけれど、聞こえてくる男どもの声がさすがに単純化され過ぎだ。ダダ漏れになる男たちの本音はほとんど下ネタ中心。自分本位で女たちを下に見ていることが明白。一部のデキた男たちはしかし、ほとんど聖人のような心模様で通す。つまり男どもが記号化される。

 物語が導く「男は考えていることが本心とは限らない」「行き着くところ、男も女の願うものは同じ」だという心理は理解できるし、「私たちに必要なのは拳を下げることだ。美しいものがあっても、拳を下げなきゃ見えない」という境地に達するヒロインの心の旅も悪くない。だから、心が読める力、これをもっと器用に使うことができていたなら、ほとんど傑作リメイクになったかもしれない。

 ただし、主演女優としてのヘンソンの魅力は全開になる。最近のスター男優ならウィル・スミスやケヴィン・ハートが演じても良さそうな役どころに気持ち良くハマっている。TV シリーズ「エンパイア 成功の代償」(15年~)のクッキーをもっと現実味ある方向に手繰り寄せたようなパフォーマンス。男社会のスポーツエージェント業界を颯爽と行く。

 啖呵を切るのがこんなに似合う女も珍しいし、男たちと渡り合おうと思い切り自分を大きく見せるのも「らしい」。ドタバタに走っても嫌味は感じさせないし、身体を張ったラヴシーンで滲ませる喜劇の気配は大いに愉快だ。唯一酔っ払った演技はヘタクソだけれど、基本、何をやってもカッコイイのがヘンソンで、これはもう、本人の(本来男性に対して使う言葉だけれど)気風の良い素顔が滲み出ているためではないか。簡単に言うと、好感度が極めて高い。

 だから終幕、ゲイの部下を鏡に我が身を省みる流れが自然だし、オルディス・ホッジ(こんなに格好良い男だったかと驚く)演じる想い人との掛け合いにもちゃんとハートが感じられる。もしかしたら#MeToo時代を反映させたいという狙いこそがあったかもしれない作品で、説教臭を極力抑えられたのは、間違いなくヘンソンの功績だろう。今やヘンソンは紛うことなきスターなのだ。





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