アラジン

アラジン “Aladdin”

監督:ガイ・リッチー

出演:メナ・マスード、ナオミ・スコット、ウィル・スミス、
   マーワン・ケンザリ、ナヴィド・ネガーバン、
   ナシム・ペドラド、ビリー・マグヌッセン

評価:★★




 アラビアの砂漠の国アグラバーで派手なヴィジュアルと華麗な魔法が融合するファンタジーと、止まってしまったら死んでしまう勢いで常に忙しいガイ・リッチー映画。このふたつをどうしてぶつけようと思ったのか理解できないところだけれど、そうして出来上がった『アラジン』は結構な珍味。どこをどう間違ったのかボリウッド映画的気配が色濃い事態に。

 どういう映画なのかはオープニング、貧しい青年アラジンと王女ジャスミンが雑踏の中で出会う場面だけ見れば分かる。唐突に始まる逃走劇がミュージカル仕立てとなり、この場面にリッチー映画の特質が良く出ている。通常場面でさえじっとしていられない落ち着きのなさが、アクションになるといよいよ全開になり、矢継ぎ早のカット割りでその気分を出そうという安っぽさが前面に出るのだ。肉体の躍動から来る興奮よりも、あくまでそれっぽく見えることに拘る。

 結果、見た目は確かにインパクトがある。鮮やかな色が溢れ、アラビア風の衣装や美術も続々。サルがトラがオウムがゾウが闊歩。そこに魔法まで迷い込む。その上ボリウッドミュージカルの匂い。ほとんどくどいと言って良いほどなのだけど、主演のメナ・マスードとナオミ・スコットは意外なほど地味な容姿で(もちろん、この世界観の中では、の話)、もしかしたらせめて人間は涼やかにとの配慮が働いたのだろうか。特にマスードは歌も大して上手くないし、明らかなる脇役顔。

 …なんて呑気でいると、魔人ジーニー役のウィル・スミスが登場、俄然活気づくから可笑しい。何と言うか、「ホンモノのスター登場」の輝きで一瞬にして世界観を自分のものにしてしまうのだから。ジーニーはアニメーション版(92年)のときからやりたい放題の強烈なキャラクターで(ほとんど悪ノリの域)、なるほどここにスミスを持ってくるのは良く分かるのだけれど、おかげで主役ふたりの庶民性がいよいよ露わになり、ほとんどスミスの引き立て役に回ってしまうのはどうなんだろう。

 でもまあ、スミスがまた、ボリウッド映画的気配に良く溶け込むのだ。視覚効果との相性も良い人だから、リッチーがどれだけ人間の肉体を無視しても、視覚効果に頼っても、編集がチープでも、決してそれに呑まれない。お調子こいたスミスが中心に置かれたミュージカル場面は、他のどの場面よりもワクワクする。演出が下手でもスミスを眺める喜びがある。スミスの登場は作品のバランスを崩してもいる。つまり良くも悪くもスミスは目立つ。

 さて、アラジンの仲間と言ったらジーニーの他にサルのアブーと魔法の絨毯を忘れてはいけない。アニメーション版では特に絨毯の健気さが愛らしかったのに較べると、今回はやや活躍が控えめか。その分アブーは頑張る。アラジンはジーニーよりもアブーとの方が相性が良いと思われる。まあ、彼らが結束してもスミスのインパクトには太刀打ちできないのだけれど…。





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