オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式

オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式 “Hot Tub Time Machine”

監督:スティーヴ・ピンク

出演:ジョン・キューザック、ロブ・コードリー、クレイグ・ロビンソン、
   クラーク・デューク、クリスピン・グローヴァー、リジー・キャプラン、
   チェヴィー・チェイス、セバスチャン・スタン、リンジー・フォンセカ

評価:★★★




 これから3Pに突入しようとしている素っ裸のロブ・コードリーがクラーク・デュークに説く。「無反応でもビンビン過ぎても失礼だ。半勃起ぐらいがちょうどいいんだ。俺を見てみろ」。あぁ、なんとバカなんだろう。しかし、だ。あぁ。なんて憎めないバカなんだろうとも思う。これは『オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式』というあまりにも情けない邦題をつけられたこの映画にピタリと当てハマる感想でもある。

 人生冴えない中年三人組と一人の若者が1986年にタイムスリップしてしまう話。「ターミネーター」(84年)や「バタフライ・エフェクト」(04年)を連想させるところもあるけれど、作り手が最も意識しているのはやっぱり「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(85年)だろう。尤も、アクション・アドヴェンチャーなんかではないし、デロリアンも出てこない。「当時の自分に出くわしたら大変だ!」というお馴染みの縛りも、まんまと無視される(周りの人間は彼らの中年姿が当時の若さで見えるのだ)。ほとんどやりたい放題で、それはもはや幼稚なご都合主義と言って良いほどなのに、それでもやっぱり細部にまで愛嬌が感じられるからだろう、許せてしまう。

 例えば、過去にタイムスリップしてしまう際の演出が可笑しい。大きなジェット式バスタブに浸かった男たちが酒を呑んで大騒ぎ。するとカメラは丸いバスタブを俯瞰で捉える。ヒップホップが流れ出す。バスタブは回り出す。男たちの騒ぎは続く。バスタブはもはや大きなドーナツ盤だ。チープで、でも可愛い時間旅行。80年代の軽薄で下品な楽しさもちゃんと再現。MTV全盛、ロック勢もまだ元気で、色が無秩序に氾濫している時代。品はなくても、勢いが感じられる。

 自分たちが置かれている状況に気づいた男たちは、当時の記憶を呼び起こし、やり直しを試みる。ポイズンのライヴで盛り上がり、女との別れ話で額にフォークを突き立てられ、ケンカに負けてボコボコになり…といった他愛ないエピソードの羅列。それでも斬り捨てられないのは、こういうノリに見覚えがあるからだ。フツーの男たちがフツーに通ってきただろう懐かしさを刺激する。それにこのバカなノリは男の特権ではないか。ふと「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」(09年)を思い出す。ちゃらんぽらんで真実味がなくてさっぱりしていて、でも実は根っこの部分はちゃんと繋がっている。こういうの、嫌いじゃないんだよな。

 主人公はジョン・キューザックではなく、コードリーだ。物語上でも重要な意味を持っているキャラクターを演じているけれど、それ以上に注目すべきは、笑いの中心にいるのがコードリーという点だ。行動のイチイチが下品極まりなく、きっぱりハゲで、口から出てくるのは下ネタと毒入り言葉ばかり。それでも愛される吸引力を持っている。キューザックやクレイグ・ロビンソンもコードリーに釣られるように弾けている感が強い。そうそう、唐突に現れるバスタブの修理屋を演じるチェビー・チェイスも無意味に可笑しい。

 結末にはちょっと驚く。タイムスリップ物の定石を堂々無視した展開。過去・現在・未来の関係を突き抜けてしまう。大雑把だと白けるか、何でもありかと呆れるか。これはこれでありだと納得させるチャームは持っている映画だと思う。





blogram投票ボタン

ブログパーツ

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ