リンクル・イン・タイム

リンクル・イン・タイム “A Wrinkle in Time”

監督:エヴァ・デュヴァルネ

出演:ストーム・リード、オプラ・ウィンフリー、リース・ウィザースプーン、
   ミンディ・カリング、ググ・バサ=ロー、マイケル・ペーニャ、
   ザック・ガリフィアナキス、クリス・パイン、アンドレ・ホランド、
   デリク・マケイブ、リーヴァイ・ミラー

評価:★




 有名児童小説を基にしたという『リンクル・イン・タイム』は、簡単に言えば少女を主人公にした冒険ストーリーなのだけれど、そこいらのそれとは全然感触が違う。少女が迷い込むのは五次元世界というやつで、量子やら電子やらはもちろんちんぷんかんぷん、随分遠い場所へと繰り出すものの、結局は精神世界の冒険に落ち着く。何だか子ども版「インターステラー」(14年)みたいだ。

 少女が踏み入れる世界は目まぐるしく変化する。何せホレ、五次元だから、アッという間に今いる場所が変化するのだ。場所から場所へと大いに忙しい。ただ、その肉体が疲労することはない。体力を使って移動するのではなく、勝手に場所が移動するものだから、人物はじっとしていれば良いのだ。心が云々、バランスが云々、意味不明な会話を展開させると、場所の方が変わってくる。何て楽ちんな冒険。

 …と来れば、ピンと来る。少女がこなすアクティヴィティがちっとも魅力的じゃないのだ。ここには光を奪う「イット」なるものが存在する。少女はその罠を潜り抜けながら、4年前に消えた父親を探すのだけれど、場面が変わる毎に出てくるのは、愛とやらを過大評価する哲学的問答だ。ヴィジュアルこそ変化しても、結局同じ場所をぐるぐる回っているだけで、一向にその世界が広がっていかない、まるで蟻地獄のような世界。

 そもそも見もののはずのヴィジュアルが面白くない。どれだけカラフルでも、視覚効果の助けに頼った人工的な色が氾濫するばかりで、かと言って毒々しさも感じられず、おそらく温か味を狙ったはずの色合いが見事に冷たい。どれだけ色を混ぜてもグラデーションができない風景に閉じ込められたような違和感につきまとわれる。一刻も早くそこから逃げ出したい気分にしかならない。

 この世界に魅了される人々を眺めていると、SF映画だとかファンタジー映画だとかの匂いよりも宗教映画の匂いの方が濃くなってくるから困りもの。派手なヴィジュアルをぶら下げて引きつけ、強引にその世界を魅力と信じ込ませるようなやり口、それ一本。少女を世界に導くオプラ・ウィンフリーなど、いやホント、どこかの宗教団体の教祖にしか見えない。ただ、怖い。

 多分イマジネーションと呼ばれるものが狂っているのだろう。全てが頭の中で展開される世界で、動かすには言葉があれば良い。それを信じて自己満足の世界を大々的に掲げる。しかし、肉体の魅力を侮っていけない。ハートが宿るのは肉体であり、肉体が反射的な動きを見せないところで、それが育つことは難しいのだ。訪れるハッピーエンドが白々しくて仕方ない。





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