ビューティフル・ボーイ

ビューティフル・ボーイ “Beautiful Boy”

監督:フェリックス・ヴァン・フルーニンゲン

出演:スティーヴ・カレル、ティモシー・シャラメ、モーラ・ティアニー、
   ケイトリン・デヴァー、エイミー・ライアン

評価:★★




 ドラッグ依存症の者が出てくる映画は多いけれど、ドラッグそのものを真ん中に置く映画は案外少ないのではないか。『ビューティフル・ボーイ』はその内の1本と言って良いだろう。18歳にしてドラッグにどっぷり浸かった少年と彼に手を差し伸べる父の物語。ティモシー・シャラメとスティーヴ・カレルが主演と来れば、身を乗り出す。

 …のだけれど、これが何ともまあ、メリハリの感じられない構成で退屈する。フェリックス・ヴァン・フルーニンゲンの興味はそれこそドラッグそのものにあり、それに人生を狂わされる父子の物語にないようなのだ。息子が薬物で面倒を起こし、父が助けに入り、息子は一見立ち直ったようで、しかしまた同じ過ちにハマる。…というサイクルを繰り返すのみなのだ。

 観客が観たいのは、そういった泥沼にもがく父子の心模様だろうに、そちらは大変淡泊な伝え方。父と献身と息子の裏切りの裏に潜む思いは読み取れず、代わりに浮かび上がるのは、一度手を出したら簡単には逃れられないドラッグの恐ろしさだ。

 軽い好奇心で始まったドラッグ使用。その症状の典型例。身内が痛感する無力。患者の疎外感と孤独。リハビリセンターのプログラムとその限界。心の隙間で囁く悪魔。他者を引きずり込む蟻地獄的暴走。そう、この映画はドラッグに手を出そうか否か迷う者へのガイド的映像としては大変有効なのかもしれない。

 何しろ味気ない啓蒙VIDEOよりは手が込んでいる。主演はカレルとシャラメだし、音楽は意表を突いた選曲。時制がちょこちょこ弄られ、視線が父のそれから母のそれへと脈略なく飛ぶ作法も飛び出す。つまり映画の技が繰り出されるということで、けれどこれが、物語や人物に興味がある者には、鼻につくだけという無念。

 無理矢理見所を捻り出すとしたらどこだろう。カレルの寂し気な佇まいだろうか。幸せだった頃の家族の肖像だろうか。いや、ここはまともな状態のシャラメとその弟妹役の子役たちのじゃれ合いだと答えよう。まるでシャラメのプロモーション映像みたいだ。子役たちもとても可愛らしい。映画の言いたいところではない?硬いことは言いっこなし、でしょう?





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