ハロウィン

ハロウィン “Halloween”

監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン

出演:ジェイミー・リー・カーティス、ジュディ・グリア、
   アンディ・マティチャック、ウィル・パットン、
   ヴァージニア・ガードナー、ニック・キャッスル

評価:★★★




 ホラー映画のアイコンが真面目に取り合ってもらえるのは、大抵一作目だけだ。続編ができた際にはお笑い要素に塗れマジカルな存在でしかなくなる。そこにはオリジナルに対する敬意など、あろうはずがない。「ハロウィン」(78年)に登場したブギーマン、マイケル・マイヤーズもしかり、だ。そこで…。

 そこでデヴィッド・ゴードン・グリーンは考える。マイケルを蘇らせるにあたり、もはや何作あるのか分からないシリーズの全てをなかったことにして、この『ハロウィン』こそ、唯一にして正規の続編だと位置づける。グリーンが何よりも注意したのはマイケルをファンタジーの住人にしないこと。彼はあくまで人間であり、唯一確かなことはローリーへの執着ということだ。

 1979年の惨劇から丁度40年後のハロウィンに復活することを始めとして、ご都合主義的な面は多々ある。ただグリーンはマイケルと彼が狙うローリーの存在を生のものとして提示できれば、物語の説得力が格段に上がることも承知しているのだ。だからここに、ローリー役としてジェイミー・リー・カーティスが復帰しているのは、極めて重要なポイントだ。

 カーティスは40年経ち、すっかりおばあさんだ。役柄的にも見た目的にも。ただし今のカーティスは、単なる絶叫クイーンではない。40年前の出来事を忘れていないのはローリーも同じ。ゆえに彼女は戦士として帰還するのだ。マイケルの復活に恐れ慄くのではなく、むしろこのときを待っていたと不敵な笑みを浮かべる。堂々たる物言い。積極的なアクション。張り巡らす罠。断るまでもなくカーティスはそういう新たなローリー像にぴったり来る。腰回りは大分ダブついたものの、いつまでもスマートでカッコイイ。

 グリーンは新ローリーを丁寧に取り上げながら、40年という歳月そのものを掴まえる。陰惨な事件が産み落とした邪悪な気配が日常の様々なものに絡みつき、新たなる悪を生み、人と人の繋がりをややこしくし、恨みの向かう先に揺さぶりをかける。時間の重みを描き出すことで、物語に厚みを出す。

 とりわけ胸に残るのは、母と娘、そして孫娘という三世代にのしかかる40年の重みだ。マイケルの息の根を止めるこだけを考えて生きてきたことが察せられるローリーゆえ、周りは普通ではない生き方を強いられる。愛というものがどんな風に姿形を変えるのか。その生々しさが恐怖のスパイスになる。願わくば更なる続編は欲しくない。いや、あるべきではない。マイケルとローリーの物語は完璧なフィナーレを迎えたのだから。





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