ブラック・クランズマン

ブラック・クランズマン “BlacKkKlansman”

監督:スパイク・リー

出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン、アダム・ドライヴァー、
   ローラ・ハリアー、トファー・グレイス、
   コーリー・ホーキンス、ライアン・エッゴールド、
   ヤスペル・ペーコネン、アシュリー・アトキンソン、
   ポール・ウォルター・ハウザー、アレック・ボールドウィン

評価:★★★★




 スパイク・リーの映画製作のエネルギー源は、アメリカ社会における黒人のアイデンティティーの不当な扱いにある。「Do the right thing!」と叫びながら、怒りを映像に叩きつける。その迫力に思わず後ずさりしてしまうほどだけれど、不思議と野蛮な感じはなく、むしろ愛嬌を感じさせる。『ブラック・クランズマン』はそんなリーにぴったりの題材だ。

 実話ゆえ彼是茶化せない部分も出てくるものの、何よりまず浮かぶ言葉は「ファンキー」、これだ。70年代、新米黒人刑事が白人至上主義結社KKKに潜入捜査に入る。もちろんそのまま潜り込んでは袋叩きに遭うから、同僚の白人刑事を自分の分身として送り込む。自分は電話の声担当だ。懐かしの黒電話が二人一役を実現させる魔法の機器になる。

 「ファンキー」を弾けさせたのは、リーの演出の活きの良さもさることながら、ジョン・デヴィッド・ワシントンとアダム・ドライヴァーのコンビネーションの力が大きい。ワシントンは父親程抜群のスタイルではなくこじんまりしているのだけれど(カリスマ性はない)、ここではそれが可愛らしくて良い。アフロはヘルメットにしか見えなくて楽しい。ドライヴァーはと言うと、お馴染みのぬぼーっとした佇まいが必要以上の深刻さを拒否、のらりくらりと任務をこなす様が可笑しいの何の。

 いちばん盛り上がるのはKKKとブラックパンサー党の集会が同時進行で語られる件だ。双方の主張を交互に描き出しながら、憎しみが怪物に変態する恐ろしさと、それを認めてはならぬ真っ当な精神が衝突する。編集と撮影の技が駆使された結果、ファンキーが熱を帯び、そして爆発を導く。

 潜入捜査ならではの描写も愉快だ。バレるバレないの緊迫感。綱渡りの中に浮かび上がる孤独。二人一役ならではの難しさ。そこにワシントンとブラックパンサー党幹部の女とのロマンスまで絡む(しかもちゃんと物語の中で機能)。要するに差別問題を糾弾しながら、娯楽性をも獲得しているのだ。リーの豪快なる背負い投げ。

 すっきりした後味ではあるものの、もちろん苦味が消えることはない。話の舞台となる70年代から50年近く経っている今、しかし問題がちっとも解決されていないことが突きつけられる。「アメリカ・ファースト」が聞いて呆れる。リーはだから戦い続ける。くたばってたまるか。





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