キャプテン・マーベル

キャプテン・マーベル “Captain Marvel”

監督:アンナ・ボーデン、ライアン・フレック

出演:ブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン、ジュード・ロウ、
   ベン・メンデルソーン、ジャイモン・ハンスゥ、リー・ペイス、
   ラシャーナ・リンチ、ジェンマ・チャン、アネット・ベニング、
   ルーン・タムティ、マッケナ・グレイス、クラーク・グレッグ

評価:★★




 なかなか物語の波に乗れない。『キャプテン・マーベル』のことだ。マーヴェル・シネマティック・ユニヴァースに初登場するキャプテン・マーベルはどうやら宇宙人らしく、話は宇宙からスタート。馴染みのない場所、馴染みのない異星人、馴染みのない専門用語に囲まれながら、説明を最小限に抑えたミッションに身を投じる。加えて彼女自身が昔の記憶を失っていると来た。とっつき難いのだ。エンジンがかかるのが遅れるのも仕方ない。

 ただ、そうやって30分ほど我慢すると、ようやく舞台が地球に移り、スピード感と安定感が出てくる。若き日のニック・フューリーが顔を見せ(1995年の物語)、ヒロインとバディ映画的匂いを醸し出すためだ。ブロックバスターやWindows95といった小ネタを挟みながら(90年代音楽にはさほどノレず)、キャプテン・マーベルがアメリカの地で本領を発揮していく。フューリーと猫が良いスパイスになる。

 問題はブリー・ラーソンだ。アクションスター向きかそうでないかは、走り方を見れば分かる。ラーソンはこれがサマにならない。いくら姿勢良く懸命に走っても、どうしてもそれが矯正されたフォームにしか見えない不幸。コスチュームをまといポーズをキメれば何とか見られるものの、アクションはスタントと丸分かりのものか、或いは編集や視覚効果でごまかしたもので占められる。引きの画で見せる勇姿が全くないあたり、作り手も頭を抱えたのではないか。もうひとつ言うなら、ラーソンはもっと声を張るべきだ。わざとらしくても良いから。

 MCU初の女性ヒーローというのが売りのはずで、それでヒロインがさほどキマッて見えないとなると苦しい。何かでフォローしなければならない。そこで注目したいのがヒロインの友人マリアというキャラクターだ。彼女はスーパーパワーなしのままヒーローになる。敵に捕まって足を引っ張ったり弱音を吐いて物語を湿らせたりすることなく、カッコイイ女として輝く。ベタベタしていないのに、情に厚いのも良い。これは好もしいことだ。

 すると、彼女を触媒にキャプテン・マーベルも踏ん張り始める。その戦い方やアクションの見映えという点に対する不満を吹き飛ばすように、その生き方の勇ましさが浮上する。遂に解き明かされるキャプテン・マーベル誕生の謎には、何度打ちのめされててもその度に立ち上がる人間の美しさがあり、それが強さの源だと語り掛けるかのようだ。

 もうひとつ面白いのは、「物事の見方」というものに対しての考察がなされていることだ。正義とは何か。悪とは何か。それは己が立つ位置によってまるで変わってくる。一度信じる物が変われば、見方が180度逆転してしまうことすらある。物語はその危うさを突く。キャプテン・マーベルにはそこのところにもう少し葛藤を感じて欲しかった。あまりにも簡単に価値観の逆転を受け入れ過ぎではないか。





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