スパイダーマン:スパイダーバース

スパイダーマン:スパイダーバース “Spider-Man: Into the Spider-Verse”

監督:ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン

声の出演:シャメイク・ムーア、ヘイリー・スタインフェルド、
   リーヴ・シュライバー、マハーシャラ・アリ、リリー・トムリン、
   ジェイク・ジョンソン、ニコラス・ケイジ、
   キミコ・グレン、ジョン・ムレイニー

評価:★★★★




 物語をアニメーションで語るならば、そうでなければならない理由が必要だ。いくら画が綺麗でも、単にアニメーション化するだけでは芸がない。『スパイダーマン:スパイダーバース』はこの重要ルールを守る。そして、だからこその快感を獲得する。

 いきなり目を奪われるのは、その画の懐かしさ・親しみやすさ・楽しさだ。昨今はピクサー映画がトップを直走る3Dアニメーションが主流で、確かにこの流れに入る作りではあるものの、目指されたのは原作コミックの味をそのままにアニメーション化することではなかったか。コミック風の構図。パラパラ漫画風のコマ送り。グラフィックコミック的色合い。大胆な画面の分割や文字が画面に入り込んでくる作法も楽しい。

 そうして出来上がる世界観はポップアートのそれに通じるものがある。主人公は絵を描くのが好きだけれど、それこそ街角、ビルの壁や電車の側面にスプレーで描かれたアート作品のような、今この瞬間に飛び出してきたような活きの良さ。落書きの魅力と言い換えることが可能か。

 驚きは画に留まらない。スパイダーマンと言えばこの人、ピーター・パーカーが死んでしまうし、新スパイダーマンは余りにも頼りない黒人少年マイルス・モラレスだ。かと思えば突如オッサンになって腹の出たパーカーが出現、マイルスと師弟関係になる。それに笑っていると、グウェン・ステイシーがスパイダーウーマンになるわ、フィルムノワールの世界や日本の2Dアニメーションの世界からもスパイダーヒーローが登場するわ、最終的にはブタちゃんまでスパイダーパワーを獲得する。ナニコレ。

 変化球を飛び越えて、ほとんど反則スレスレ、キワモノ的展開を見せながら、しかし「スパイダーマン」の精神はちゃんと守られるのが素晴らしい。「大いなる力には大いなる責任が伴う」のキメゼリフ。身近な人の悪への変身。悪役が抱える哀しみ。ヒーローの孤独とそれに対する回答。スパイダーマンはやっぱりスパイダーマンなのだ。

 もちろんスパイダーマンならではのアクションは健在だ。蜘蛛の糸を使ったスウィングが基本。けれど、アニメーションゆえに縛りがない分、戦い方は多彩だ。あまりに自由ゆえに目まぐるしさが過ぎるところはあるものの、結局は楽しさが勝つ。これは「スパイダーマン」映画の決定版かもしれない。あぁ、こんなのを見せられて、どうなる、トム・ホランド版スパイダーマン!?





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