移動都市 モータル・エンジン

移動都市 モータル・エンジン “Mortal Engines”

監督:クリスチャン・リヴァーズ

出演:ヘラ・ヒルマー、ヒューゴ・ウィーヴィング、ロバート・シーアン、
   ジヘ、ローラン・ラフテリー、レイラ・ジョージ、パトリック・マラハイド、
   カレン・ピストリアス、スティーヴン・ラング

評価:★★




 『移動都市 モータル・エンジン』の世界では人々は動く都市に住んでいる。そして、都市同士は敵対し、強い都市が弱い都市を捕食して動く燃料にするのだという。ちょいと前に動く城があったことを思い出しつつも、ふむ、なかなか良い意味でバカバカしい設定ではないか。

 そんなわけで見せ場は早々にやってくる。巨大都市ロンドンが「獲物」である小都市を発見、荒野でチェイスを繰り広げるのだ。いつもなら車同士でやってのける追いかけっこを、都市同士で見せる。ただ、それだけでやたら可笑しい。都市はほとんど巨大重機、或いは巨大戦車の雰囲気で、荒れ果てた大地に轟音を轟かせる。カメラワークもノリノリ。編集も豪快。この際のスコアが「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(15年)風なのが輪をかけて可笑しい。パクリじゃないヨネ?

 いきなり観る者を大興奮に巻き込みながらしかし、この映画、これを超える画を創造することに失敗する。…と言うか、そもそも都市同士の対決の画がこの後、一切出てこないのだ。怪物都市はロンドンだけだったということか。ロンドンが怯むほどの手強い都市も姿を見せず、ゆえに都市内部の生活風景や都市を飛び出しての冒険で話を繋ぐことになる。

 これが面白ければ良かったのだけれど、残念、特に目新しいところはなく、既視感を覚える画の羅列に終始する。都市内部の格差社会。富裕層の優雅な生活。反乱軍の存在。立ち上がる若い魂。人間じゃない何かの襲撃。もちろんクライマックスは小さな者たちの巨大権力への命を賭けたバトルだ。

 ふと思い出すのは「ハンガー・ゲーム」(12年)やら「ダイバージェント」(14年)やらで、そうか、これはその流れに位置づけるべき映画なのかもしれない。過酷な運命を背負った少女が様々な困難に立ち向かう。その際男性パートナーが現れる。手を差し伸べる仲間ができる。恋に落ちる。過去と対峙する。その過程で肉体的にも精神的にも成長する。そう、彼女はヒーローになる。

 エイミー・アダムスを思い切り若くした感じのヘラ・ヒルマーは悪くないし、相手役のロバート・シーアン(少々チープ)との掛け合いもまずまず。多様性を過剰に意識した配役も違和感はない。ただ結局、彼らのドラマは取ってつけたようだ。それぞれの抱える葛藤がご近所に転がっている類のものでしかなく、そのため見事、新味はなくとも派手には違いないヴィジュアルに、全て呑み込まれていく。いちばんシンパシーを覚える心理描写は、人ではない何かのそれだったりするしな。





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