アリータ:バトル・エンジェル

アリータ:バトル・エンジェル “Alita: Battle Angel”

監督:ロバート・ロドリゲス

出演:ローサ・サラザール、クリストフ・ヴァルツ、
   ジェニファー・コネリー、マハーシャラ・アリ、エド・スクライン、
   ジャッキー・アール・ヘイリー、キーアン・ジョンソン、
   ジョージ・レンデボーグ・ジュニア、エドワード・ノートン

評価:★★




 日本のコミックを基にしたという『アリータ:バトル・エンジェル』で何よりもまず目が行くのは、ヒロインであるサイボーグ少女アリータの目がデカいということだ。日本の漫画界に溢れる気色悪い画柄事情が反映されたわけだ。だからそれに文句をつけるのは野暮だとは承知しつつ、あぁ、それでもやっぱり気色悪い。目が大きいと可愛く見えるというバカ幻想にとり憑かれた日本人が多い結果がこれだ。

 ただそれに我慢すれば、アリータの容姿の描き込みは健闘した方ではないか。ちゃんと喜怒哀楽が伝わる表情変化で、けれど決して生身の人間には見えない(サイボーグに見える)という絶妙のラインを実現。時折エマ・ストーンの表情を思わせるときがあるくらいで、サイボーグの心が見失われることはない。

 それにアクションが期待通り華麗だ。昨今のアメコミヒーロー映画のようにゲーム風に処理された場面も多々あるものの、アリータの超人的身体の動きを丁寧に追った描写もちゃんと用意される。その出来映えが最高潮に達するのは、巨大スタジアムで開催されるモーターボールなる催しの件だ。縦横無尽なカメラワークと視覚効果のバランスが悪くない。アリータのアクロバティックな技が次々キマる快感がある。

 どちらかと言うと大人っぽさを感じさせるところの多いこのヴィジュアル世界を作り上げたのが、ロバート・ロドリゲスというのは少々意外かもしれない。ハリウッドに呼ばれてからのロドリゲスは、どういうわけだかおもちゃ箱をひっくり返したような子どもっぽい画に流されていた。今回はそこをグッと堪え、決して浮ついたところのない本気のアリータワールドを展開している。

 話はまあ、アリータの青春映画のようなものだ。アリータの正体が記憶を亡くした最強戦士であり、それゆえに命を狙われるというメインストーリーもあるものの、結局は昔ながらの少女趣味の世界に留まる。戦士だけどハートがあり、サイボーグだけど恋をして、己の力に目覚めて舞い上がり、強い使命感で苦境に立ち向かう。彼女を救ってくれた博士との関係は「ピノキオ」SF版みたいなものか。空に浮かぶ空中都市と屑鉄だらけの地上との対比も既視感たっぷり、ありきたりと言える。

 クライマックスの展開を見れば分かる。続編が大いに意識されている。…それで思ったのだ。ひょっとしてロドリゲスはアリータを、「ハンガー・ゲーム」(12年)のカットニスのように育てたいのではないかと。でもそうすると、大いなる疑問が浮上する。このアリータ、欠点と呼べるものが一切ないのだ。サイボーグである自分を端から受け入れ、自らの頭で考える知恵も、悪に果敢に立ち向かう勇気も、人を想う優しさも具えている。つまり既に完成された存在だ。人は成長していくキャラクターを見続けたいと思うものだ。最初からパーフェクトなアリータにはその要素が全くないのだ。





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