ゲーム・ナイト

ゲーム・ナイト “Game Night”

監督:ジョン・フランシス・デイリー

出演:ジェイソン・ベイトマン、レイチェル・マクアダムス、
   カイル・チャンドラー、ビリー・マグヌッセン、シャロン・ホーガン、
   ラモーネ・モリス、カイリー・バンバリー、ジェシー・プレモンス、
   マイケル・C・ホール、ジェフリー・ライト、ダニー・ヒューストン

評価:★★★★




 ジェイソン・ベイトマンとレイチェル・マクアダムスが扮するのは週に一度仲間と集まりパーティを開くくらいにゲーム好きの夫婦。その彼らが本物の誘拐に巻き込まれる。このプロットだけ取り出すと平凡に聞こえるものの、どっこい、『ゲーム・ナイト』は映画の技がたっぷり放り込まれる。侮れない。

 とりわけ脚本の出来が素晴らしい。三組のカップルを登場させ、その個性をきちんと描き分けるのは当たり前。エドワード・ノートン、マーク・ウォルバーグ、デンゼル・ワシントン、「ファイト・クラブ」(99年)「グリーンマイル」(99年)等映画ネタが次々登場。笑いには毒が振りかけられ、かつその塩梅が見事なので、決して不快の沼にも下品の森にも迷い込まない。果たして彼らは助かるのだろうかという基本ストーリーを実に豊かに肉付けしていくのだ。

 例えば、ベイトマンの腕から弾丸を取り出す場面。スマホで弾の取り出し方を調べながらのそれが、滅法可笑しい。緊迫感の中に潜む笑いが、スマホの性質や吐き気の伝染を使って、ポップコーンのように弾け飛ぶ。ベイトマンとマクアダムスが抜群の喜劇センスを持つスターだということも手に取るように分かる。

 また或いは、とあるアンダーグラウンドで「大きな卵」をボールに見立てて「ラグビー」が行われる場面。決して少なくはない人物の出し入れの鮮やかさが、サスペンスとコメディを見事にミックスする。空間の使い方が不敵で独創的。撮影がそれに食らいつき、編集がきっちり完成へ導くのも見過ごせない。役者も身体を張る。

 ほとんどドタバタの趣でも、決して軽薄なだけには終わらない。三組のカップルの掛け合いはロマンティック・コメディの楽しさに包まれ、ベイトマンと兄カイル・チャンドラー(激しく井上順に似てきた)の関係には人生の何がしかの真実と兄弟愛が浮上する。本物の拳銃、白い犬やベルトコンベアといった小道具や伏線も使い捨てにされないのはクレヴァーな証拠。何と充実したゲーム・ナイト。

 さて、映画の裏MVPは夫婦の隣に住む不気味な警官かもしれない。ジェシー・プレモンスが演じる。ゲームが好きなのに、その不気味な佇まいと退屈な言動が災いしてなかなか仲間に入れない彼が、スリルと笑いに満ちた魅惑的な悪夢の最高の調味料になる。悪夢の奥行きを二重三重に深くする。そう、この映画には無駄なプレイヤーは出てこない。最高のゲームということだ。





ブログパーツ

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ