レイチェル

レイチェル “My Cousin Rachel”

監督:ロジャー・ミッチェル

出演:レイチェル・ワイズ、サム・クラフリン、イアン・グレン、
   ホリデイ・グレインジャー、アンドリュー・ノット

評価:★★




 『レイチェル』の原作を手掛けたのはダフネ・デュ・モーリアだという。アルフレッド・ヒッチコックの「レベッカ」(40年)と同じ原作者だ。なるほど両者の肉体には同じ血液が流れている気配がある。もちろん細部を分析すると鏡のように似ているというわけには行かないものの、「事件」を異なる角度から見たように感じる人は多いのではないか。あぁ、もしヒッチコックならどう撮っただろう。ふと頭を掠める。

 話は至ってシンプルだ。コーンウォールに住む青年フィリップが、幼い頃から父親のように慕っていた従兄が愛した女性レイチェルに出会う。従兄は既に死んでいて、彼女が殺したのかもしれないと思いつつ、フィリップはレイチェルに惹かれていく。さて、真相は…。

 最も重要な点が真相の究明には置かれていないものの、謎はたっぷり用意される。従兄の死の真相。莫大なる遺産の行方。そしてレイチェルの正体。もちろん注目すべきはレイチェルだ。彼女は何を思ってフィリップに近づき、そして何故彼を惑わせるのか。その存在そのものがミステリー。

 そのヒロインをレイチェル・ワイズが演じたのは少々配役ミスだったかもしれない。丸顔が災いして、ファムファタルとしては吸引力に乏しい感がある。ただ、自由に生きるヒロイン像はさすがに掴んでいる。コスチュームプレイゆえに身体を絞りながらも、決して窮屈な鳥籠に閉じ込められている感じはしない。悪女にしろそうじゃないにしろ、時代に抑え込まれはしない。ワイズの個性が活きた部分だ。

 ヒロインに溺れる青年を演じるサム・クラフリンはやけに藤木直人化が激しい(そしてデンジャラスな生え際)。ワイズに必死に食らいついているものの、結局バカにしか見えないのはどうか。「恋は盲目」を体現しているというよりは、何も考えていないように見える。そうすると、ワイズとの間に電流は走らない。そしてそれは官能が宿らないということに繋がる。そう、この物語ならは男女の肉体が擦り合わされることで抗い難い官能が浮上しないと、嘘だ。

 謎が解かれる瞬間を期待すると完全に肩透かしを食らうだろう。幾通りにも解釈ができるよう作られていて、主人公ふたりだけでなく、誰もが裏の顔を持っていることを匂わせる。あみだくじを辿っても、いつまで経っても結果が分からないまま、そんな感じを敢えて狙ったのか。作り手の逃げに見えるあたり、作品の限界を感じてしまうのだけれど…。





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