恋とニュースのつくり方

恋とニュースのつくり方 “Morning Glory”

監督:ロジャー・ミッチェル

出演:レイチェル・マクアダムス、ハリソン・フォード、ダイアン・キートン、
   パトリック・ウィルソン、ジェフ・ゴールドブラム、ノア・ビーン、
   ジャック・デヴィッドソン、タイ・バーレル、カーティス・ジャクソン

評価:★★




 ハリウッドでは定期的にお仕事コメディが作られる。やる気は十分だけれど運には見放された若い女性を主人公に、彼女が厳しい上司にもまれつつ仕事に奮闘する様が描かれる。日本で同じことをやろうとすると「ナースのお仕事」みたいなちょっと良い話風にまとめたドタバタ劇で終わってしまうのだけど、ハリウッドだとそれなりに見入ってしまうところがあるのは金のかけ方が違うからか。「ワーキング・ガール」(88年)ではメラニー・グリフィスとシガーニー・ウィーヴァーが、「プラダを着た悪魔」(06年)ではアン・ハサウェイとメリル・ストリープが、そして『恋とニュースのつくり方』ではレイチェル・マクアダムスとダイアン・キートン、そしてハリソン・フォードがスターオーラを振り撒く。彼らのドタバタは眺めているだけでリッチな気分。

 …のはずだったのだけど、案外チープなのは何故か。新人TVプロデューサーのマクアダムスが、お局キャスターのキートンとわがままアンカーマンのフォードに振り回される笑いを散りばめているのだけど、この部分の軸にあるのが、仕事にプライドを持つ者同士のぶつかり合いではなく、仕事への向き合い方の問題という幼いそれだからだ。特にフォードのやる気のない振る舞いの数々が陳腐。それぞれが全力を尽くす中で生まれる人間的な滑稽さではなく、ガキのような大人の暴走に寄り掛かっている。仕事なのに。金をもらっているのに。一流のはずなのに。笑っているのは当事者だけ。

 TV業界が舞台だから当然、視聴率が重要になってくる。ここではそれにばかりこだわる虚しさはスパッと無視される。一瞬フォードがアンカーとしての誇りを見せるだけで済まされる。何しろマクアダムスが視聴率アップのために捻り出すアイデアというのが、まるで日本のリアクション芸人が担当するような身体を張ったアクション付きの報道ばかり。そういうのをバカにしているわけではない。ないけれどしかし、その背後に見えるのが、「こういうエサに視聴者は食いつくだろう」「視聴率上がればそれで良し」という思考ばかりというのは寂しくないか。

 ここでは恋愛要素もはっきりと余計だろう。マクアダムスよ、大事なときにパンティ一枚になってる場合じゃないだろう。どう考えても、恋愛の代わりにキャスター以外の人物の専門的な仕事ぶりを見せることに割くべきだ。大体オープニングがヒロインのブラインドデート場面というところからして、ピントがズレている。

 ネーヴ・キャンベルみたいに見えるマクアダムスより目立つのはもちろん、フォードとキートンの暴走するヴェテランふたりだ。特にフォードは前面にプッシュされている。しかもしかめっ面をしていればイイだけの美味しい役どころ。眉間にシワを寄せていれば、周りがそれに反応して勝手にベタな笑いが生まれる。オジイチャン、楽してがっぽり稼ぎます、みたいな。ちゅーか、それならばいっそ、マクアダムスもカットして、フォードとキートンの激突劇にすれば良かったのだ。ついでにロマコメ要素も投入してもイイ。需要はないだろうけど。キートンもその方が見せ場が増えて嬉しいだろうに。

 ちなみに、どうでも良い役柄ではあったけれど、ジェフ・ゴールドブラムは相変わらずイイオトコだ。スラリとした佇まいで、スーツも似合う。大人の男とは彼のような雰囲気を持つ人を言う。





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