クリード 炎の宿敵

クリード 炎の宿敵 “Creed II”

監督:スティーヴン・ケイプル・ジュニア

出演:マイケル・B・ジョーダン、シルヴェスター・スタローン、
   テッサ・トンプソン、フロリアン・ムンテアヌ、
   ドルフ・ラングレン、フィリシア・ラシャド、ウッド・ハリス、
   アンドレ・ウォード、ブリジット・ニールセン、
   マイロ・ヴィンティミリア、ラッセル・ホーンスビー

評価:★★★




 今回アドニス・クリードが対戦するのは、父の仇であるイワン・ドラゴの息子ヴィクター・ドラゴだという。つまり『クリード 炎の宿敵』は「ロッキー 炎の友情」(85年)に大いに目配せした内容だ。となると映画ファンは不安に思うだろう。「炎の友情」は今となってはシリーズの中でもキワモノ的側面が濃いからだ。もしかしたら作り手はそんな扱いに不満を抱いていたのかもしれない。雪辱戦的気迫を感じるのだ。

 何と言っても、ドラゴ父子が漫画キャラクターのようには描かれない。ファーストカットをドラゴ父子が飾るぐらいで、「炎の友情」後、彼らがロシアの地でどんな人生を歩んできたのか、その気配がとても大切にされる。チャンピオンであれば崇められても、敗れ去った者は必要以上に厳しく当たられる。敗者から生まれた新しい命は母の愛すら受けられない。彼らにできることは、それでもボクシングしかないというのが、哀愁たっぷりだ。

 物語はドラゴ父子とクリードとロッキー・バルモアの師弟コンビ(疑似父子と見ることも可能)を対比させながら語られる。紋切型を突破できないものの、敵方の心情が丁寧に描き込まれているがゆえ、ここにはベタの気持ち良さがある。リングという世界一孤独な場所で闘う男たちの思いは、結局いつの時代も人を熱くさせるのだ。ややもたつき気味のアドニスの家庭事情を吹き飛ばすくらいに。

 アドニス役のマイケル・B・ジョーダンの分かり易い筋骨隆々の肉体に較べて、ヴィクター役のフロリアン・ムンテアヌはいかにもロシア的な鋭利さを感じさせるのが良い。大きくて、けれど人間らしさは失っていない肉体がスピード感たっぷりだ。パンチを繰り出す度に泣き声が聞こえてくるかのよう。孤独を知る敵の存在がアドニスを奮い立たせる。

 そうして遂に決着がつけられる試合が導くのは、様々な形の父と息子の姿だ。強い信頼で結ばれ、或いは不器用なりに新しい繋がりができたり、誰よりも愛していることを伝えられたり…。それぞれが過去と向き合ったからこその父と息子の関係が、いずれも清々しい気分を誘う。あぁ、そうして時代は流れていくのだと感じさせる。

 それにしてもこのシリーズのテーマ曲の破壊力は、初めて聴いたときから一切落ちていない。「ミッション:インポッシブル」シリーズのテーマ曲だと一気にサスペンスを伴った高揚感に包まれるのだけれど、「ロッキー」シリーズのそれは泣きのツボも巧みに押してくるから困る。あの音楽が流れると反射的に涙腺が緩んでしまうのだ。アドニス・クリードの最高のセコンドではないか。いや、ちょっとドーピング気味かも!?





ブログパーツ

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ