アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング

アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング “I Feel Pretty”

監督:アビー・コーン、マーク・シルヴァースタイン

出演:エイミー・シューマー、ミシェル・ウィリアムス、
   ローリー・スコーヴェル、エミリー・ラタコウスキー、
   エイディ・ブライアント、トム・ホッパー、
   ビジュー・フィリップス、アドリアン・マルティネス、
   ナオミ・キャンベル、ローレン・八ットン

評価:★★★




 以前「愛しのローズマリー」(01年)という映画があった。男には他人の心の美醜が、そのまま外見に反映されて見えるという設定。心の美しい人は美男美女に、心が汚れた人はブサイクに見える。これにより男にはヒロインが実際はデブなのにとびきりの美女に見える。美女を演じたのはグウィネス・パルトロウ。デブを表現するのに特殊メイクが使用された。

 今となってはパルトロウ、よくぞこんな嫌味な役を引き受けたものだけれど、同じようにヒロインがブスから美女に変身する『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』に、同種の違和感はない。何しろヒロインは実際の見た目は変わらない。頭を強打したことをきっかけに自分を美女だと思い込むという設定。つまり観客の目には、周囲の目には何も変わっていないのに、ヒロインだけが美女に生まれ変わったと勘違い。

 もちろんヒロインは外見に自信を持つと同時に、ポジティヴ・シンキングに変身する。これは実は相当危険な設定でもあり、ともすれば単に「イタイ女」に見えかねない。エイミー・シューマーはその際どさを理解している。自信が幸運を招き寄せるという黄金律を嘘臭く見せない。笑いを獲得しながら、確かにちゃんと美しく輝いていく。ジョン・リスゴー的容姿なのに綺麗に見えてくるのだ。

 したがってこの映画は、ヒロインが現実に打ちのめされる後半より、イケイケゴーゴーな序盤から中盤にかけてが圧倒的に楽しい。日本語吹替版ではシューマーの声を渡辺直美が担当するようで、なるほど上手いキャスティングだ。どうして渡辺があんなにも万人に愛されるのかを解明するかのような、マジカルにして痛快なエピソードが並ぶ。

 ただ、終幕にはもう一捻り欲しい。大切なのは外見ではない。内面の輝き、自分を愛することなのだというお決まりの教訓に向かって、冒険心なくまとめた感。実際のところ、この映画を観ても、美しい人とそうでない人、どちらかになれると言われたら、皆迷いなく前者を選ぶわけで、実は人が抱える美醜問題はもっと怪物的なものだ。ヒロインの美への憧れも当然消えていない。本音と建前の境を突いた気分になって満足しているがゆえ、もやもやも残る。

 それから人は誰でも、容姿が優れていても金を持っていても社会的地位を手にしていても、コンプレックスを持っていることをちらつかせる演出が中途半端に処理される。社会の闇と切り離せないテーマゆえ、もっと人物を暴走させても良かった。なお、会社のトップでもある美女をミシェル・ウィリアムスが演じたのは、さすがに無理がある。ヘンテコな声で喋るのは承知できても、外見の作り込みに説得力なし。「プラダを着た悪魔」(06年)のメリル・ストリープ的強引さだ。





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