マンディ 地獄のロード・ウォリアー

マンディ 地獄のロード・ウォリアー “Mandy”

監督:パノス・コスマトス

出演:ニコラス・ケイジ、アンドレア・ライズボロー、ライナス・ローチ、
   ネッド・デネヒー、オルウェン・フエレ、リチャード・ブレイク、ビル・デューク

評価:★★★




 長らくニコラス・ケイジ好きには厳しい時代が続いている。改めて断るまでもなく、ケイジ出演作の質が下がる一方だからだ。もはや劇場公開を狙っているのかすら怪しい作品の連打。絶頂期を知る者は溜息をつくしかない。『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』もそんな映画なのだろうか。

 …と諦観の境地で臨んだのだけど、これがヤバい。普段「ヤバい」なんて言葉は使わないのだけど、色んな意味で狂っていて、もしかしてドラッグに触れるというのはこういうことなのではないかと思わされる風にヤバい。もはや出来が良いとか悪いとか、面白いとかつまらないだとか、そんな領域を突き抜けて、ヤバいのだ。

 ストーリーは普通だ。1983年山奥で愛する女と暮らしていたケイジが、その愛する人をカルト集団に殺され、復讐の鬼と化すというもの。ありきたりと言って良い。ただ、全編を覆う危うい空気に奇妙なまでに中毒性があり、しかもそれが倫理観を超えたところにあるのだ。何だか良く分からないけれど見入ってしまう、みたいな。

 ライナス・ローチ(何という配役!)率いるカルト集団がイッちゃってるのはもちろんなのだけど、実は彼らが暴れる前からデンジャラスな香りはたっぷり。…というのも、ケイジの想い人を演じるアンドレア・ライズボローがこの世の者とは思えぬ目つきで、ヒロインらしからぬ佇まいをキープするからだ。ケイジを見つめる目はしかし、その奥に広がる別の世界を覗いているかのようで、でもだからこそケイジのようなクセモノと良いカップルになる。

 カルト集団がライズボローを捕らえてからはぶっ飛んだイメージの連発。奇怪な踊り。白塗り。コカインモンスター。謎の目薬。奇天烈な虫。アニメーションの夢。突然のトラ。炭となる死体。チェーンソーの暴走。ケイジが愛する人を殺されて吼える画には、圧倒的迫力と、まさかのマヌケさがあり、絶望的状況下なのに、思わず吹き出す。いやホント、ヤバい画を見てるぜ俺たち。

 もちろん話はどんどんわけが分からなくなる。作り手もそんなことは気にしていない。もはやどこまで世界を自分の色に染められるか、それに賭けているのだろう。話は最優先事項ではなく、画が語り掛ける力を信じている演出なのだ。もちろん好き嫌いははっきり出るだろう。エンドクレジットが流れ始める頃には、好きでも嫌いでも、何を見ていたのか困惑は免れない。





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