ブルーイグアナ 500万ポンドの獲物

ブルーイグアナ 500万ポンドの獲物 “Blue Iguana”

監督:ハディ・ハジェイグ

出演:サム・ロックウェル、フィービー・フォックス、ベン・シュワルツ、
   ピーター・フェルディナンド、ピーター・ポリカープー、
   サイモン・キャロウ、アル・ウィーヴァー、フランシス・バーバー

評価:★★




 ロンドンを舞台に、豪華ダイヤモンド、通称ブルーイグアナを巡って争奪戦が繰り広げられる。ヴァイオレンスたっぷり。オフビート感が基調。悪党たちはたっぷりの生活臭を醸す。…と来ればクエンティン・タランティーノ、或いは初期のガイ・リッチーを連想してもおかしくないところで、それならば勝負はどうオリジナリティを出すか、に懸かっている。

 …はずなのに、『ブルーイグアナ 500万ポンドの獲物』は模倣だけで満足してしまうのだ。誰が最後に笑うのか。それを話の軸に置いて引っ張るオーソドックスなプロット。危機的状況になってものんびりムードを失わない悪党たち。突然訪れる死。その際のたっぷりの血飛沫。まあ、確かに映画的な設定と画ではあるものの、どこまでも続いていくのは既視感だ。

 ユーモアにしても、いかにも「面白いでしょう」と語り掛けてくる類のそれで、その堂々たる見せ方が恥ずかしくなるくらい。大切な状況下で膨れ上がる尻への欲望。声が大き過ぎて内緒にならない内緒話。素人感丸出しの下手くそな変装。悪党のビリー・レイ・サイラス風髪型に対するこだわり。大ボスのへなちょこエアロビクス。笑いたいのに笑えないもどかしさよ。

 仕掛けられる犯罪計画は計画にすらなっていない。ターゲットとなるパブの向かいに部屋を借りて、張り込みや計画準備がなされるものの、まるで用をなさないのに驚く。伏線だと睨んだものがことごとく無視され、全く別の方向から事態が転がっていく。意外性があるというより、行き当たりばったりということだ。

 当然のことながら、アメリカからサム・ロックウェルがイギリスに乗り込む構図もちっとも活きず。ロックウェルと英国女フィービー・フォックス(アリシア・シルヴァーストーンをごつくした感じ。メガネで髪をまとめていた方が可愛い)の間に電流が流されるくらいだろうか。その電流もたいしてサスペンスに繋がらない微力なもので、いつまで経っても盛り上がりどころが来ないのだ。

 そんなわけで役者たちは楽しそうでも、観ている方にそれが伝わらないという残念な結果。キャラクターにも愛着が沸かないのがその証拠。いつしか敵側の悪党(ピーター・フェルディナンド)にいちばんのシンパシーを覚えてしまうくらいだ。ボスにこき使われ、部下はバカばかりで、ライヴァルに出し抜かれ、アメリカ人にバカにされる。そして迎えるあんな結末。時折思い出したように映画ネタが入るのはそういうわけか。あぁ、でもやっぱりちっとも感心しない。脚本が温いということだ。





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