ベスト・バディ

ベスト・バディ “Just Getting Started”

監督:ロン・シェルトン

出演:モーガン・フリーマン、トミー・リー・ジョーンズ、レネ・ルッソ、
   ジョー・パントリアーノ、グレン・ヘドリー、シェリル・リー・ラルフ

評価:★




 少し前に同じモーガン・フリーマンが出演した「ジーサンズ はじめての強盗」(17年)という映画があった。年配の方々が元気なのは日本だけではない。昨今の映画界はジイサンバアサンの老いてなお衰えないヴァイタリティを讃える映画が増えていて、「ジーサンズ」あたりはその象徴だ。若い頃とは明らかに違う肉体。動かなくなったそれを笑い飛ばし、それどころかそれを生きるエネルギーに変換する。

 ただ、このアプローチは気をつけないと、温い画の羅列になることにはもっと敏感になるべきだ。やはり老人を主人公にした『ベスト・バディ』など、金持ちのジイサンたちが遊び呆けている画を並べるだけに終始するのだもの。ポーカー。ゴルフ。卓球。ウエイトリフティング。チェス。詩を詠み、絵を描き、リンボーダンスを踊る。老人向け豪華リゾートで戯れるジイサンたち。元気で何より…という感想しか出てこない。

 高級リゾートに来るくらいの老人たちだから、精神的に余裕があるということか、案の定「恋にも積極的」という点をアピールするエピソードあり。しかも三角関係という、お調子こいた設定。フリーマンとトミー・リー・ジョーンズがレネ・ルッソを取り合う画にどれだけの需要があるのか分からないけれど、まあフリーマンやジョーンズが歯の浮くようなセリフを口にするのは珍しいし、ルッソは綺麗に撮られているので、少しは寛容な気分。って、ホントか?

 一応フリーマンがあるマフィアから命を狙われているというメインストーリーがあるものの、機能していないことは明白。ゴルフバックに毒蛇が仕込まれたり、ゴルフカートが小爆発したり、その程度の暗殺計画で、マフィアも本気を出して命を狙わない。ゆえにサスペンスが影も形も見当たらない。要するにメインの筋立てがお遊戯に見えるのだ。

 それでもフリーマンとジョーンズは楽しそうだ。人格者のイメージが強いフリーマンがとにかく軽いジイサンを、堅物の印象が崩れないジョーンズがロマンティストなジイサンを演じ、ふたりで張り合うことを繰り返す。誰だってたまには羽目を外したい。気持ちは分かる。けれど、その意外な画だけで持たせるのは、いかにも無理がある。

 クライマックス近く、ある場面が映画を端的に表す。とあるモーテルを車から見張るフリーマンとジョーンズなのに、せっかくターゲットが帰ってきたときにはぐっすり眠り込んで見逃してしまうのだ。ジイサン、疲れには勝てない。これが作り手の提示する笑いらしい。パンツに腹の肉が乗ったジイサンふたりではあるものの、さすがにもう少しピリリとした笑いを狙って欲しいと思うのは、贅沢な願いではないはずだ。





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