デス・ウィッシュ

デス・ウィッシュ “Death Wish”

監督:イーライ・ロス

出演:ブルース・ウィリス、ヴィンセント・ドノフリオ、エリザベス・シュー、
   ディーン・ノリス、キンバリー・エリス、カミラ・モローネ、
   ボー・ナップ、レン・キャリオー、ジャック・ケシー、
   ロニー・ジーン・ブレヴィンズ、カーリー・ブラス・ブラントン

評価:★★




 ブルース・ウィリスが外科医を演じる。この設定だけで、「そんなわけないだろー」と愉快な気分になる。そうか、全く医師に見えないウィリスを医師に仕立てるのか。きっとそれを許す大らかなハリウッド映画に違いない。ところが、『デス・ウィッシュ』はマジなのだ。ドのつくシリアスなのだ。ウィリスに医師らしい場面をほとんど用意せず、でもひたすら深刻なのだ。あの「狼よさらば」(74年)のリメイクだという。

 所謂復讐物。妻を殺し、娘を意識不明にした強盗犯に父親が死の鉄槌を下す。復讐映画が公開される度、未だに「狼よさらば」と比較される現状。それだけ分かりやすい構図なのだ。ただ、この題材を今の時代にストレートに描き出すと、ギャグを通り越して頓珍漢な気配が浮上することには、もう少し敏感になるべきではないか。

 作り手は、メディアが賛否両論を伝える様を描くことで、主人公の行動を中間の立場から見ているのだろうか。否。作り手は明らかに復讐に快感を感じている。わざわざ主人公を「死神」と呼びながら、明らかに「守護天使」でもある彼を擁護する。それはさながら「銃を持っていたら、命を守れたのに」とお決まりのセリフを吐く、全米ライフル協会のスローガンのよう。

 だから殺し場面には力が入る。残虐さを楽しんでいる匂いも漂う。下衆な悪党どもが、一人また一人と頭を撃ち抜かれ、脳みそを飛び散らせていく様。ほとんど悪趣味なのだけど、監督はイーライ・ロス、致し方なし、か。サディスティックな暴力描写の羅列が、主人公の怒りと哀しみを浮かび上がらせる…ことはもちろんない。ロスが熱心になるのは、悪党どもの無残な姿に尽きる。

 復讐の物語にするにしても、それを前面に押し出すのではなく、主人公が思いがけず復讐に手を染めることになるという展開にはできなかったか。それにユーモアも欲しい。動画サイトで銃の扱い方を学ぶ主人公の姿には、その可能性が感じられるではないか。それにそう、ウィリスが主人公なのだ。真面目に飛ばすだけでは疲れてしまうというものだ。ぶつぶつボヤいてこそのタコ入道だ。

 ホッとするのはヴィンセント・ドノフリオの登場する場面だ。兄ウィリスに金を無心するダメな弟ながら、兄の苦しい立場を理解し、涙を流す優しさを持った男。真実を知ったドノフリオがウィリスを諭す場面に、作り手の僅かに残った良心が感じられる。それからは娘は昏睡状態などにせず、もっと自由に動かしても良かった。演じるカミラ・モローネは「陽のナスターシャ・キンスキー」みたいな印象で、化けそうな気配があるのだ。ウィルスと親子でコンビネーション・アクションを見せるぐらいのサーヴィス、あっても良かったのでは?





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