リセット

リセット “Vanishing on 7th Street”

監督:ブラッド・アンダーソン

出演:ヘイデン・クリステンセン、サンディ・ニュートン、ジョン・レグイザモ、
   テイラー・グルーサイス、ジェイコブ・ラティモア

評価:★★




 「Why」を求めてはいけない映画というのがあって、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の「CUBE」(97年)が分かりやすい例。目の前で起こっている奇怪な出来事に必死に対処していく人々を眺め、彼らと同じように不安な気持ちになりながらサスペンスを体感するだけ。『リセット』も同じような姿勢で作られていることは明白。ある日デトロイトで大規模な停電が発生する。その瞬間、街から人々が忽然と姿を消してしまう。極僅かな者たちを除いて…。

 当然のことながら、なぜ彼らは生き残ったのだろうと不思議に思うのだけれど、明確な理由は決して示されず、窮地だけが続いていく。どうやら世の中から光が奪われ、常に光の傍にいないと、闇に呑み込まれてしまうようだ。そう言えば、生き残った彼らは真っ暗になったとき、光を手にしていた(光を携帯していたのは彼らだけなのか?)。怖い。怖いけれどしかし、同時に別の「Why」が浮かんでくる。街の所々に残された、心細い光の数々。なぜそれらはすぐさま奪われないのか。野暮だと承知しつつ、一旦気になると、それが頭から離れないのが、この手の映画の厄介なところ。

 それでも空間作りに長けたブラッド・アンダーソンは、巧く処理している方だ。特に序盤は力を見せる。真っ暗闇になり、発電機により光を作り出しているバーに、4人の人間が集まってくる。年齢も職業も全く異なる4人が同じ画面に入るまでが、セリフやナレーション、或いはテロップ等を利用することなく描き出されていくあたり、実に巧み。バーに集合するまでの十数分の間に、一体現在どういう状況にあるのか、何が今の彼らの頼りになっているのか、それぞれ心理状態はどうなっているのか…といった必要最小限の情報が手際良く挿入されている。そして遂にヘイデン・クリステンセンが言うのだ。「真昼間なのに、どうして真っ暗なんだ?」。そのショック。

 一箇所に生存者たちが集まるのはゾンビ映画の借り物だし、影の見せ方、闇の見せ方もどこかで見たようなもの。そこに被さる音楽もいかにもな感じで意外性に欠ける。いや、新味はなくとも良くできているのだけど…。…なんてことを考えていたら、なんだかM・ナイト・シャマラン映画のように見えてきてしまったのにはコマッタ。シャマランのようにこけおどし的な演出ではないものの、発している匂いはとても良く似ている。悪名高き「ハプニング」(08年)を思い出す。いいんか。

 ふと思ったのだけど、ひょっとしたら舞台劇にしたら面白い題材なのではないか。もちろんその際は、登場人物の背景を手際良くスケッチし、生き延びるためのヒューマンなエピソードも必要だ。ほとんどワンシチュエーションスリラー的設定で、アイデアの旨味が引き出されないと、虚しい気分だけが濃く残る。





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