December 14-16 2018, Weekend

◆12月第2週公開映画BUZZ


ROMA ローマ “Roma”
 配給:Netflix
 監督:アルフォンソ・キュアロン
 Budget:$15,000,000
 Weekend Box Office:-
 OSCAR PLANET Score:97.5 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚本賞
           主演女優賞:ヤリーツァ・アパリシオ
           助演女優賞:マリナ・デ・タヴィラ
           撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞
           録音賞、音響効果賞、作曲賞

ビール・ストリートの恋人たち “If Beale Street Could Talk”
 配給:アンナプルナ
 監督:バリー・ジェンキンス
 Budget:$12,000,000
 Weekend Box Office:$224,476(4) Great!
 OSCAR PLANET Score:90.4 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚色賞
           主演男優賞:ステファン・ジェームズ
           主演女優賞:キキ・レイン
           助演女優賞:レジーナ・キング
           撮影賞編集賞、美術賞、衣装デザイン賞
           録音賞、音響効果賞、作曲賞

運び屋 “The Mule”
 配給:ワーナー・ブラザース
 監督:クリント・イーストウッド
 Budget:$50,000,000
 Weekend Box Office:$17,509,431(2588) Good!
 OSCAR PLANET Score:63.4
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           主演男優賞:クリント・イーストウッド
           撮影賞、編集賞、録音賞、音響効果賞、作曲賞

移動都市 モータル・エンジン “Mortal Engines”
 配給:ユニヴァーサル
 監督:クリスチャン・リヴァース
 Budget:$100,000,000
 Weekend Box Office:$7,559,850(3103) zzz...
 OSCAR PLANET Score:40.4
 Oscar Potential:視覚効果賞、録音賞、音響効果賞
 Razzie Potential:作品賞監督賞脚本賞

スパイダーマン:スパイダーバース “Spider-Man: Into the Spider-Verse”
 配給:コロンビア
 監督:ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン
 Budget:$90,000,000
 Weekend Box Office:$35,363,376(3813) Great!
 OSCAR PLANET Score:93.0 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           アニメーション映画賞

“The House That Jack Built”
 配給:IFCフィルムズ
 監督:ラース・フォン・トリアー
 Budget:$9,900,000
 Weekend Box Office:$34,091(32) zzz...
 OSCAR PLANET Score:51.2
 Oscar Potential:主演男優賞:マット・ディロン
           助演男優賞:ブルーノ・ガンツ
           助演女優賞:ユマ・サーマン


※OSCAR PLANET Score…各有力媒体の批評を基にOSCAR PLANET独自の計算法により弾き出した評価バロメーター。作品賞、監督賞&脚本賞レース参戦を目指すのであれば、少なくとも70.0以上は欲しく、80.0以上なら堂々たる資格を具えていると考えて良い。ただし、演技賞や技術賞では作品評価が伸びなくても、候補入りする場合が少なくない。

※Oscar Potential…オスカーチャンスのある部門。太字は特にその可能性が高い。


【総括】
 今年のヴェネチア国際映画祭は傑作が連続して上映され、稀に見る盛り上がりを見せたのだが、アルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA ローマ』がそれに貢献したことは間違いないところだろう。「ゼロ・グラビティ」(13年)でオスカーを獲得、その動向が注目されていたキュアロンが、故国メキシコで撮り上げた小品は、同映画祭の金獅子賞に輝く栄誉を授かり、いよいよ世界に向けて公開される。舞台となるのは1970年代のメキシコシティ。ある中流家庭の一年を、そこで働く使用人の目を通じてモノクロの映像で描き出す。もちろん吹き荒れるのは絶賛の嵐。キュアロンと言えばそのヴィジュアルが毎度注目されるが、今回もその美意識が画面に隅々まで行き渡った映像が美しく感動的。かつ、モノクロの中に立ち上がる人間模様はパーソナルな内容ながら極めてパワフルで、激しいエモーションをかき立てるもの。観る者はその世界に知らぬ間に入り込み、登場人物と同じようにその時間を共有することになる。まさに完璧な仕上がりとの声が途切れない。本作はオスカー外国語映画賞メキシコ出品作に選出されているが、もちろん候補確実、受賞最短距離に位置すると言われている。また、主要部門・技術賞でも活躍が期待されていて、作品賞、監督賞、撮影賞での候補が当確。ヤリーツァ・アパリシオが主演女優賞、マリナ・デ・タヴィラが助演女優賞で候補に挙がる可能性もあるとのこと。なお、本作はNetflix映画であり、同社の作品が初めて作品賞候補に挙がるか否か、注目を集めていることを付け加えておく。

 ヴェネチア映画祭の主役が『ROMA ローマ』なら、トロント映画祭の主役は『ビール・ストリートの恋人たち』だった。同じく、今シーズンのオスカーに必ずや絡むと見られている。「ムーンライト」(16年)でオスカー作品賞をサプライズ受賞したバリー・ジェンキンス監督が、ジェームズ・ボールドウィンの小説を映画化したもので、1970年代、ニューヨーク、ハーレムを舞台に、レイプの容疑で投獄された青年と彼を救うために奔走する少女とその家族を描く。ジェンキンスの物語を語る力はそれはそれは確かなもので、観客はその世界観にアッという間に引きずり込まれ、固唾を呑んで登場人物の行く末を見守ることになる。美しい撮影と強力なストーリーが完璧な調和を見せているという。キキ・レイン、ステファン・ジェームズ、レジーナ・キングら俳優陣のアンサンブルもパーフェクト。ジェンキンスはまたしても特大ホームランを手にしたと言って良いだろう。当然賞レースにも期待がかかる。とりわけ注目はヒロインの母を演じたキングで、オスカー助演女優賞ノミネートはほぼ確実、受賞も射程圏内に入ったとの見方も出ている(ところが、アメリカ映画俳優組合賞ノミネーションではまさかの落選。状勢は変わったか?)。もちろん作品賞や監督賞、脚色賞、撮影賞等、他部門でも健闘が期待できる。興行的にも充実の滑り出し。

 同じ原作物でも、2014年、New York Time Magazineに掲載された記事がベースというのが風変わりなのが『運び屋』。金に困った孤独な老人が、メキシコの麻薬カルテルへのドラッグの運び屋になる様を描く。話題は何と言っても、監督・主演を務めるのがあのクリント・イーストウッドという点で、急遽年内公開が決まったのは、配給元の期待の表れと見て良いだろう。ところが、批評はまずまずといった程度の賛辞に落ち着いている。どうやら脚本の仕上がりに斑があるようで、イーストウッドならではの風格ある熟した演出と見合わない部分が目立つ模様。そうは言ってもイーストウッド映画、決して失敗作ではなく、イーストウッドを眺める喜びはたっぷりあるとのことなのだが…。賞レースチャンスはおそらく消滅したと見て良いはず。興行的には悪くないスタートで、まずは製作費の回収を実現したい。

 原作物は続く。フィリップ・リーブの小説の映画化となるのが『移動都市 モータル・エンジン』。舞台は、地を這う移動型の都市に人々が住む未来。小さな都市を捕食しながら巨大化する移動都市ロンドンに、少女へスターが立ち向かう様を描く冒険ファンタジーになる。あのピーター・ジャクソンが製作と脚本に参加していることからも期待値は高かったのだが、批評家の反応はイマイチ。ヴィジュアルに関しては大変見応えがあり、アクションにも工夫が見られるものの、肝心の物語が弱く、平坦に見える箇所が大変多いとのこと。ジャクソン映画に見られる魔法は見当たらないというのが大方の見方になる。これでは賞レースに絡むのは、視覚効果賞も含めて難しいのではないか。また、所謂スターが出ていない影響か、興行的にも大惨敗を喫していて、製作費が莫大であることを考えると、今年を代表する失敗作と言われても仕方がない。

 映画と相性の良い「スパイダーマン」の最新作が登場。と言っても、近年続いてきた実写シリーズではなく、映画では初となるアニメーションになる。誰でもスパイダーマンのマスクを被ることのできる世界を舞台に、ブルックリンに住むマイルス・モラレス少年の活躍を描く。タイトルはズバリ『スパイダーマン:スパイダーバース』。このプロジェクトが発表されたとき、もしかすると実写シリーズに傷をつける出来映えになるのではと危惧する人が多かったと思われるが、何の何の、それどころか実写以上の絶賛を獲得しているから、世の中分からない。アニメーションならではの大胆不敵なヴィジュアル、ヒーロー映画特有のアクション、素晴らしく気の利いたユーモアやジョーク、そしてファミリー映画で何より大切なハートが一緒くたになり、「アニメーション映画の決定版」との賛辞が出るわ出るわ。要するに大絶賛の嵐を巻き起こしているわけで、この盛り上がりは今年のアニメーション映画賞レースを牽引すると思われた『インクレディブル・ファミリー』以上と言って良いかもしれない。…となると、賞レースは本作と『インクレディブル・ファミリー』の一騎打ちと見て良いのではないか。『インクレディブル・ファミリー』は興行的にも大成功を収めたが、こちらもなかなかのオープニングを記録。賞レースでの好記録が追い風となって、ロングヒットになるかもしれない。





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