プーと大人になった僕

プーと大人になった僕 “Christopher Robin”

監督:マーク・フォースター

出演:ユアン・マクレガー、ヘイリー・アトウェル、
   ブロンテ・カーマイケル、マーク・ゲイティス
声の出演:ジム・カミングス、ニック・モハメッド、ブラック・ギャレット、
   ソフィー・オコネドー、ピーター・キャパルディ、トビー・ジョーンズ

評価:★★




 どうやら記憶の本棚に眠るプーさんの絵本は、アニメーション化されたものを基にしているようなのだけど、何の何の、そんなことを気にさせない『プーと大人になった僕』。プーさんの再現度が大変に優れているのだ。これは全く重要なことだ。プーさんがプーさんに見えなくては話にならない。

 昨今の英国クマ界ではパディントンなる紳士が溌剌と活躍中だけれど、プーさんはもしかしたら彼に思うところがあったのかもしれない。お馴染みのぬいぐるみ風プーさんの身体に毛の流れができて、これが愛らしくも大人っぽいという絶妙の線。決して子どもオンリーに向けた容姿ではない。これならば社会に出た人たちの部屋の窓辺にいてもおかしくないのではないか。

 加えて、その涼し気な佇まい。若干老成し過ぎている気がしないではないものの、無邪気さと幼稚さを混同するような愚行は犯さず、毎日「何もしないが最高の何かに繋がる(Doing nothing often leads to the very best kind of something.)」を実践するからこその静かな気配を大切にする。さすがにゆっくり過ぎるのではないかと思われたその言動が、観る側の心の余裕のなさゆえだと気づかされる。もっと色合いを原色に寄せて欲しいと思ってしまうのも同様だ。

 物語はクリストファー・ロビンが大人になってからのそれだ。仕事に追われ、愛する家族といる時間も取れず、大切な記憶も封印したかに見える彼が、生きていく上で本当に大切なものを思い出すまで。プーさんの力を借りずとも先は読めるというものだけれど(ディズニー映画の呪縛だ)、まあ、破綻なくまとめられてはいる。

 ただ、これだけ再現できるのであれば、わざわざクリストファーを成長させなくても良かったのではないかと思ってしまうのだ。プーさんと仲間たちがロンドンの街に出てくるのが大いに余計だし、最初から最後まで失ったものに拘る物語が息苦しい。100エーカーの森でプーさんとクリストファーが戯れる、その画で勝負できたのではないか。

 さて、プーさんの仲間たちもなかなかの再現度だ。ティガーもピグレットも可愛いこと。ただ、個人的にはイーヨーに郷愁を誘われた。仲間の誰よりものんびりとしていて悲観的で、でも憎めないあのイーヨーに、しっかりと命が与えられている。釘でついている尻尾がネタになっているのも嬉しいところだ。プーさんがハチミツ穴から抜け出せなくなるエピソードも含め、お馴染みの話をこの画で観てみたい。





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